4月26日、「TSUTAYAの格安スマホ」を展開するトーンモバイルがiPhone用のSIMカードを発売した。特徴として、同社が強みとするスマホの「見守り」サービスをiPhoneでも使えるようになるという。
他のMVNOとは異なり、トーンモバイルはシニアや子どもを主なターゲットにすることで、競争の激しい市場で独自のポジションを確保している。このタイミングでiPhone用SIMを投入する狙いはどこにあるのだろうか。
iPhoneを欲しがる子どもと、親の不安要素に着目
多くのMVNOが「格安」競争を繰り広げる中、トーンモバイルは見守り機能「TONEファミリー」を中心に、独自のAndroid端末とSIMカードのセットをシニアや子ども向けに展開してきた。
2017年の夏には、子どもがスマホを使いすぎる問題への対策として、「夜間にスマホを使えなくする」機能を女性誌と組んで開発。MVNOとしては異例の施策だが、社会問題の解決に取り組む姿勢が他の格安スマホとは一線を画している。
その結果、契約者の約7割をシニアと子どもが占めているという。他のMVNOは情報感度の高い20代〜40代が多いのに対し、真逆の構造だ。学割キャンペーンも展開しており、3月には新規加入の75%を19歳未満が占めたという。
だが、TONE独自のAndroid端末には課題もあった。富士通と共同開発した最新モデルは充実した見守り機能と頑丈なボディを備えるものの、人も羨むハイスペックモデルではない。クラスの友達と同じiPhoneを持ちたがる子どもの要求とは、大きくかけ離れていたのが現状だ。
一方で、子どもを持つ親から見れば、高価なiPhoneをそうそう買い与えるわけににはいかず、見守り機能にも不安があった。この親子間ギャップを解消し、子どものiPhone需要の取り込みを狙うのが「TONE SIM (for iPhone)」だという。