で、「ぶっちゃけ、働いてみてどう?」

すると、ようやく腹をくくったのか、ちらほらぶっちゃけトークを聞かせてくれるように。まず話してくれたのは、とにかく"わからないことだらけ"ということ。

  • ついに、Aさんのぶっちゃけトークが……

「先輩の皆さんはとても親切なので、いつも『わからないことがあったら何でも聞いてね』って言ってくれるのですが、正直まだ"何がわからないのか、わからない"って感じです……。きっと覚えなきゃダメなことが沢山あるはずなので、それを考えると焦ったりもしますね」

なるほど。"何がわからないのか、わからない"というのは、きっと新人ならではの悩みだろう。でも、入社後にすぐさま一人前でバリバリ仕事をこなせる人間なんていないので、きっと時間が解決してくれるはず。

「あと、わからない繋がりなんですが、"社会人としての人付き合い"がわからないです。例えば、飲み会。大学のときは『わぁー! 飲め飲めー!』って感じだったんです。でも、会社の飲み会は大人な感じで、すごくおしとやかなんですよ。私としては皆さんと早く仲良くなりたいのですが、どうやって距離を縮めたらいいのか……」

確かに、人付き合いも学生時代とは大きく違う。年の離れた同僚や上司にどう接したらいいのかわからない、というのは新入社員じゃなくても若手なら誰もが思っていることだろう。

「名刺の渡し方とか、会席の座り方とか、マニュアルのある社会人マナーは大学でも教えてもらったのでわかるのですが、マニュアルのないことがわからない。『徐々に~』とか『節度をもって~』とか、そういう大人の作法みたいなことこそ、『大学で教えてくれ!』って今は思っちゃいますね(笑)!」

大学の関係者の方がこの記事を読んでくださっているなら、ぜひ彼女が言うような授業もカリキュラムに加えてほしい。ところで、仕事の実務に関しては何か思っていることはないのだろうか。

「ぶっちゃけ、"先輩かなり遅くまでやってるなぁ"とか思うことはありますが、それが嫌だとかではなくて、好きで選んだ仕事なので、むしろ自分も早くバリバリやりたいって思いの方が強いですね」

頼もしい。今、少しだけでも制作職の実務を手伝わせてもらうようになって、彼女はより一層やりがいを感じているとのことだ。その勢いでこれから仕事を頑張っていけば、きっと早く一人前になれることだろう。

すべての先輩たちに伝えたいこと

Aさんが決死の想いでぶっちゃけてくれたのは、やはり人間関係についてのこと。大学を卒業して社会人になると、ライフスタイルも大きく変わることになるが、何より人付き合いに戸惑いを感じる人が多いのだろう。

学生時代は、毎日仲良しの友人たちや自分を守ってくれる家族とだけ一緒にいればよかったかもしれないが、社会人になるとそうもいかない。年の離れた人も大勢いるし、厳しい上司もいるし、気の合わない同僚だっている。同じ職場にいる以上、どんな人とだって、それなりに上手く関係を築いていかなくてはならない。

今回、新卒入社のAさんがインタビューでぶっちゃけてくれたことは、きっと日本に何万人もいる新入社員たちが心の中で思っていること。まだまだ心細い毎日を過ごしている新人たちも多いと思うので、周りの先輩たちは優しく、そしてフランクに接してあげることが彼らにとって励みになるのかもしれない。