「かしこまりました」の意味と例文
実は、「わかる(了解する)」の謙譲語はもうひとつあります。「かしこまる」という表現です。辞書には、「身分の高い人、目上の人の前などで、おそれ敬う気持ちを表して謹んだ態度をとる」「命令・依頼などを謹んで承る意を表す」と記載されています。
「承知いたしました」と同様に目上の人に対して使う謙譲語であり、「承知いたしました」=「かしこまりました」と考えることができます。しかしながら、両者の意味を比較すると、「かしこまりました」の方がより敬意を表しているニュアンスが強いことから、どちらかと言えば「かしこまりました」の方が丁寧な表現という見解もあるようです。
「かしこまりました」の例文
- 「かしこまりました。ただ今お届け致します」
- 「日程変更の件、かしこまりました」
「承りました(うけたまわりました)」の意味と例文
もうひとつ「承りました」という表現をご紹介します。「承る」とは、「受ける」「聞く」「伝え聞く」の謙譲語です。また、「承」という漢字には、「前のものを受け継ぐ」「相手の意向を受け入れる」という意味があります。
つまり「承りました」は、単に「わかりました」という気持ちをへりくだって言うだけではなく、相手の話や意向・依頼を「確かに引き受けた」「しっかりと聞きました」という表現になります。
ビジネスシーンでは、電話対応の際に「○○が承りました」などと使われることが多いと思いますが、「承知いたしました」や「かしこまりました」よりも、「私が責任を持って担当者に伝えます」「私がしっかりと対応します」というニュアンスが、より伝わってくる印象を受けます。基本的には、取引先やお客さまなど、社外の人に対して使う言葉になります。
「承りました」の例文
- 「ご注文承りました。明日、発送致します」
- 「ありがとうございます。○○が承りました」
- 「あいにく○○は外出しておりますので、私が代わりにご用件を承ります」
今回は、「承知いたしました」「かしこまりました」「承りました」の3つの表現を紹介しました。いずれも、目上の人や取引先・お客さまなどに使う謙譲語です。親しい間柄の人に使うと、よそよそしい感じを与えてしまいます。親しい人には「了解しました」を、上司や取引先には「かしこまりました」を、お客さまの電話では「承りました」を使うなど、相手や状況によって使い分けるようにしましょう。