続発性無月経を疑って受診をした場合、一般的には妊娠検査を行う。妊娠の可能性が否定されたら、血液検査によってホルモンの状態を調べたり、CT検査やMRI検査によって卵巣や副腎の様子をチェックしたりする。
その後、これらの検査の結果を受けて治療法を決定。無月経が何らかの別の疾患によって引き起こされているようならば、その病気の治療にあたる。ホルモン異常が原因ならば、ホルモンを正常にするためのホルモン治療を実施していく。
「もしも妊娠されていた場合は、最終月経から数えるため、続発性無月経を疑って受診をされた時点で妊娠12週となります。諸事情のため、『どうしても産めない』という方もいらっしゃるでしょうが、12週以降は中期中絶となるため、分娩と同じような方法をとらざるをえません。当然、身体への負担は大きくなり、リスクも高まります。妊娠の可能性があるようでしたら、最終月経から2カ月が経過して月経がこない時点での受診をお勧めします」
早期閉経による無月経がもたらすリスク
無月経の期間が長いほど、それだけ治療にも時間を要することになる。また、一般的に50歳前後で迎えるはずの閉経が早まってしまう早期閉経を見過ごす恐れもある。
「早発閉経の可能性は20代で0.1%、30代で1%ほどです。閉経前なら卵子凍結も可能ですが、閉経してしまったら卵子凍結はできません。すなわち、ご自身の卵子では妊娠が不可能になってしまうのです」
早発閉経は妊娠・出産ができなくなるばかりでなく、骨密度低下に伴う骨粗しょう症の発症や、生活習慣病のリスクも増加させてしまう。不安の芽を早めに摘んでおくためにも、自身の月経をきちんと記録しておこう。
※写真と本文は関係ありません
取材協力: 船曳美也子(フナビキ・ミヤコ)
1983年 神戸大学文学部心理学科卒業、1991年 兵庫医科大学卒業。産婦人科専門医、生殖医療専門医。肥満医学会会員。医療法人オーク会勤務。不妊治療を中心に現場で多くの女性の悩みに耳を傾け、肥満による不妊と出産のリスク回避のために考案したオーク式ダイエットは一般的なダイエット法としても人気を高める。自らも2度目の結婚、43歳で妊娠、出産という経験を持つ。2014年、健康な女性の凍結卵子による妊娠に成功。出産に至ったのは国内初とされる。著書に、「婚活」「妊活」など女性の人生の描き方を提案する著書「女性の人生ゲームで勝つ方法」(2013年、主婦の友社)、女性の身体について正しい知識を知ってもらえるよう執筆した「あなたも知らない女のカラダ―希望を叶える性の話」(2017年、講談社)がある。En女医会にも所属している。
En女医会とは
150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加している会。さまざまな形でボランティア活動を行うことによって、女性の意識の向上と社会貢献の実現を目指している。会員が持つ医療知識や経験を活かして商品開発を行い、利益の一部を社会貢献に使用。また、健康や美容についてより良い情報を発信し、医療分野での啓発活動を積極的に行う。En女医会HPはこちら。