筆者は最近持ち歩く荷物をいかに小さく、軽くするかに燃えているのですが、このルータはまさにそんな願望を叶えてくれるもの。さらにミニマムなのはサイズだけではありません。セットアップも実にシンプルで、初めて格安SIMを使う人も、もはや何も心配いらないレベルです。
というのも通常、格安SIMをスマホなどで使用する場合は、接続先を指定するちょっと面倒な「APN設定」が必要になるのですが、本機には「LTEオート接続機能」が備わっていて、SIMさえセットすれば、その名の通り自動的にAPNを設定してくれます。
試しに筆者所有のIIJmioのデータ専用SIMを装着して電源を入れてみたところ、「Please Wait」の表示の後、ものの数秒で接続できたことを示すLTEの文字が表示されました。本当にあっという間です。
Webブラウザから手動のAPN設定もできる
万が一自動ではうまくAPN設定ができなかった場合も、スマホやPCからMP01LNの設定画面「クイック設定Web」にアクセスし、手動でAPNを設定できます。なお動作確認済の通信サービスは「Aterm MP01LN 接続確認済LTEサービス事業者リスト」に公開されているので、事前に確認しておいたほうがいいでしょう。ちなみにリストに記載はありませんが、筆者が試した限りではY!モバイルのデータ通信用SIMでも、APN自動設定で接続することができました。
リストにない通信サービスの利用はもちろん自己責任。その際に注意しなければならないのが、MP01LNが対応しているモバイル通信はLTEのみで、かつ対応周波数帯はバンド1(2GHz)、バンド19(800MHz)、バンド26(800MHz)の3バンドだけだということです。
ちなみにバンド1は3キャリア共通、バンド19はドコモ、バンド26はauがLTEに使用している周波数帯です。Y!モバイルではソフトバンクと同じ周波数帯を使用できるのでバンド1でつながったものと思われますが、MP01LNはY!モバイルがLTEに使用している他のバンドをカバーしていないので、場所によってはつながりにくい可能性もあります。
またMP01LNは、複数の周波数帯を束ねて使用するキャリアアグリゲーション(CA)にも非対応。そのためスペック上の速度も、受信時最大150Mbpsに止まっています。実際にどのくらいの速度が出るのか、先ほどの動作確認済みリストにあるドコモ回線使用の「IIJmioモバイルサービス タイプD」とau回線使用の「mineo(auプラン)」のSIMを使い、金曜日18時の新宿駅周辺というかなり混み合う場所と、週末朝8時の中野区の住宅街でテストしたところ、以下のような結果になりました。
MP01LNの速度は? 週末の都心でチェック
■東京・新宿 金曜日18時 ※いずれも受信時、単位はMbps | ||
IIJmio(ドコモ回線) | mineo(au回線) | |
---|---|---|
1回目 | 1.47 | 1.73 |
2回目 | 1.86 | 1.56 |
3回目 | 2.09 | 1.64 |
平均 | 1.8 | 1.64 |
■東京・中野 日曜日7時 ※いずれも受信時、単位はMbps | ||
IIJmio(ドコモ回線) | mineo(au回線) | |
---|---|---|
1回目 | 25.16 | 33.56 |
2回目 | 26.04 | 29.086 |
3回目 | 25.29 | 27.78 |
平均 | 25.53 | 30.14 |
都心でかつ混み合う時間帯は、やはりバンド3(1.7GHz帯)やバンド11/21(1.5GHz帯)がカバーされていないためか少々厳しい印象ですが、そうでないときはほぼストレスを感じずにつなげることができました。25Mbpsも出ていれば、もちろん動画再生もまったく問題ないレベル。なおWi-Fi側、つまりMP01LNとスマホやPCとの間の速度は、11ac(5GHz帯)の場合で受信時最大433Mbpsとなっていますが、11acを使用する場合は「クイック設定Web」で設定の切り替えが必要。デフォルト設定となる11n(2.4GHz帯)の場合は、受信時最大150Mbpsとなっています。