まだまだあります。
車両が長い
1両編成の単行列車か、長くても2両編成が普通という地域から来た人にとって、都会の電車は長く感じるものです。
「短い10両編成でまいります、というホームのアナウンスにびっくりした。短くないじゃん」(新潟県・女性、30歳)
「長い車両だと、前に乗るか後ろに乗るかで出口が違うため、迷子になる」(群馬県・男性、34歳)
首都圏近郊を走るJRの在来線には、15両編成のものもあります。すさまじい輸送力ですが、それでもラッシュ時には乗車率が100%を超えてしまうのです。
「降りる人たちの波に巻き込まれ、目的駅の手前で降ろされてしまう」(岐阜県・女性、44歳)
「降りてからの人の動きが速くてびっくり」(北海道・女性、64歳)
朝は、一目散に改札へ急ぐ人も多く見られます。降車する人の流れに逆らわず、巻き込まれた時は一旦降りてから乗り直しましょう。
「快速・特快・準急など、どれが1番速いのかよくわからない」(石川県・女性、41歳)
「私鉄で特急に乗る時、有料だと思って乗れなかった」(埼玉県・男性、47歳)
路線によって列車種別の呼び方はマチマチで、これが混乱を招いています。同じ普通列車でも、平日と土日で止まる駅が異なることもあります。何度も失敗を繰り返して慣れるしかありません。
ホームが深い!
地下鉄が深いのも、都心ならではの特徴でしょう。
「地下鉄の深さに驚いた」(京都府・男性、42歳)
「奥底深く走っている地下鉄がある一方で、部分的に表に出てしまっている浅い地下鉄もある」(大分県・女性、47歳)
アンケートでは、「大江戸線のホームが深すぎて、乗りたい電車に間に合わなかった」という声もありました。後からできた地下鉄は、必然的に深いところに掘らざるを得なくなります。ちなみに大江戸線六本木駅の1番線の深さは、地下40mを超えています。一方で銀座線、丸ノ内線といった最初期の地下鉄は深度も浅く、低い土地を走るときは地上に出ることさえあります。
このほか、面白かった声としては……
「ほぼ全員が東京弁をしゃべっている」(大阪府・男性、56歳ほか多数)
新しい土地で電車に乗ると、話し言葉やファッションが珍しく感じるもの。同乗者をジロジロと観察してしまうこともあるでしょう。ましてひと昔前となれば、地方から来た人には東京弁(標準語)は珍しかったに違いありません。決して少なくない先輩方が、「周りが東京弁を喋っているのに驚いた」と回答していました。
これから東京に出ていく人に向けて
これから東京で暮らすフレッシャーズに、先輩方から一言メッセージをいただきました。
「事前に下調べした方が良い」(宮城県・男性、54歳)
「乗り換えアプリを活用しましょう」(大阪府・女性、58歳)
「Google先生に聞きな!」(茨城県・女性、40歳)
やはり下調べは大切です。都内では、遅延や運転の見合わせは日常茶飯事。毎日乗る路線でも、ほかにどんな行き方があるか頭に入れておきましょう。鉄道各社が提供している路線図のPDFファイルをスマートフォンに保存しておくのも手です。
「駅員さんを有効活用しよう」(新潟県・男性、37歳)
「東京人の多くは田舎の出身者。意外と簡単だ」(埼玉県・男性、56歳)
駅員さんに聞くのが間違いありません。東京人の多くは地方出身者、そう思えば恥ずかしがる必要もありません。
九州出身の先輩方から寄せられた力強いエールもまとめてみました。
「最初は戸惑いますが、案外すぐに慣れます」(鹿児島県・男性、44歳)
「いい意味でも悪い意味でも、揉まれて生きよう!」(宮崎県・女性、22歳)
「電車通勤しなくてよくなるくらいBIGになれ」(佐賀県・男性、46歳)
通勤や外回りの営業など、日常生活の足となる首都圏の鉄道各線。これを乗りこなすことができれば、東京での生活にも大きな弾みがつくはずです。先輩たちの失敗談を反面教師に、幾多の罠(!?)が待ち受ける「東京の電車」というモンスターを攻略して、デキるビジネスパーソンを目指して欲しいと思います。
最後に、この一言を送ります。
「どうにかなるけん」(長崎県・男性、47歳)
イラスト:室木おすし