最後はLINE対抗になるかもしれない

とはいえ、ややこしいのは、最終的にLINE対抗となってもおかしくないことだ。「+メッセージ」を単なるコミュニケーションツールとして提供するだけではなく、今後は企業とユーザーをつなぐコミュニケーションプラットフォームへの進化を図ろうと考えているからだ。カスタマーサポートや申込手続、予約確認、リマインド通知といったサービスの提供も検討しているという。

もちろん、先々のサービスの広がりについても、サービス開始の経緯に照らせば、LINE対抗ではなく、GSMAの流れに乗ったもと考えたほうが自然だ。となれば、RCSの他国での使用ケースを見ることで、具体的なサービスについてイメージが見えてくる。

GSMAのウェブサイトを見てほしい。ここにはRCSの利用ケースが動画で紹介されている。メッセージアプリからピザを注文する、Booking.comの予約を確認するなど様々なデモが公開されており、こうしたサービスが将来、同一規格の「+メッセージ」に実装される可能性はありそうだ。

  • GSMAウェブサイトにはRCSに関連した様々な情報が公開されている

詰まるところ「+メッセージ」について国内のみで見るならば、LINE対抗サービスと表現されてしまう。しかし、RCS準拠という側面を見るならば、むしろFacebook対抗サービスと見るほうが適当なのかもしれない。

いずれにせよ、「+メッセージ」がLINE対抗サービスになるとして、一気に主導権を奪えるようになるとは思えないことだ。ユーザーを拡大し、利用率を上げ、継続的に高い状態にもっていかなければならない。そうでなければ、お金を出す企業も近寄らず、ビジネスとしても成り立ちにくいように思われるからだ。先を語る前に、「+メッセージ」の魅力を高めていくことが必要になるはずだ。