Chromebookが日本で普及する可能性はあるか
米国の教育市場でシェアを伸ばしてきたChromebookだが、日本ではどうなっているのか。 グーグルは2014年から日本市場にChromebookを展開しており、徐々に事例は増えているが、米国とは大きな差がついている。
その背景として、5月にChromebookを国内に初投入するレノボは「プロモーションの不足」を指摘する。Windows PCの場合、マイクロソフトやインテルがPCメーカーと組んで大規模な販促を展開するのに対し、グーグルは米国中心にとどまっている。
また、Chromebookに国内メーカーが参入していないという要因も大きい。国内の教育市場で最大のシェアを持つ富士通はChromebookをまだ発売していない。東芝も数機種を発売したものの、海外市場での展開にとどまっている。
Chromebookの代わりに日本の教育現場に浸透しているのは、Windowsだ。デジタル教科書はWindows対応が多く、教員はOfficeアプリを用いて教材を作り込んでいるなど、既存資産は大きい。無線LANの普及が遅れている学校では、ローカルでも問題なく動作するWindowsのほうが向いている。
だが教育用PCの普及が遅れる日本において、高価なWindows PCだけで「1人1台」を実現することは困難だ。Windows優位の状況を覆し、Chromebookの導入に向けて大きく舵を切る流れが起きるのか、グーグルを始めとするChromebookベンダーの動向に注目が集まる。