栄養スポンサー契約に伴い、6月からはステチェンスカ女流1級の半生を描いたアニメーション「すすめ、カロリーナ。」がウェブサイトで公開されることが発表され、メインビジュアルとティザームービーが公開された。
このアニメーションは、ステチェンスカ女流1級と同じくポーランド出身のアニメーターで、ヒット作「君の名は。」の背景美術などを手掛けたマテウシュ・ウルバノヴィチが監督を務める作品。メインビジュアルは将棋の聖地である将棋会館の最寄り駅・千駄ヶ谷に掲出され、ティザームービーはオフィシャルサイトで視聴できる。このほかにも、カロリーメイトと将棋連盟との取り組みとしてTVCMをはじめ、将棋の学生大会や将棋教室で栄養バランスの重要性を啓発していくと発表した。
ステチェンスカ女流1級は、もともといろいろなボードゲームが好きだったそうだが、日本のコミックをきっかけに将棋を知り、その魅力にのめりこんでいったという背景がある。
そのため、「マンガがきっかけで将棋を知ったので、このようなアニメーションになるのはうれしい」とニッコリ。今後、ステチェンスカ女流1級は、カロリーメイトの製品提供や管理栄養士による栄養アドバイスを受けながら棋士としての活動をしていくという。
食事の内容が対局の行方を左右することも
発表会では、ステチェンスカ女流1級に加え、遠山雄亮六段と管理栄養士の橋本玲子氏とで、将棋と栄養についてのトークショーが実施された。“脳のスポーツ”とも称される将棋だが、遠山六段は「将棋の対局は長いので、食事の内容が対局に影響することもある」と話す。
遠山六段が「対局の日の朝食は、ごはんにみそ汁、魚、野菜、フルーツとバランスよく食べるようにしている」と明かすと、橋本氏は「完璧な朝食で、すごいと思います。といっても、それを用意してくれる奥様がすごいんでしょうね」。その内容に太鼓判を押しながらも、内助の功の苦労をねぎらった。遠山六段も「感謝しています」と、なかなか自分だけでは用意できない食事のサポートに感謝した。
ひとり暮らしのステチェンスカ女流1級は、「自分で作るのは大変だし、遅刻できないので、近くのカフェでサンドイッチを食べます」と、対局の日はカフェで朝食をとっていると明かした。
橋本氏は「サンドイッチはパンが糖質、ハムなどがたんぱく質で、野菜も入っているのでバランスはいい」としながらも、飲み物はティーだというステチェンスカ女流1級に「ビタミンをもっと摂るために、飲み物をオレンジジュースなどの果汁に変えるともっとよい」とアドバイス。「それならすぐに実践できそう」と聞き入っていた。
また、将棋は対局中の食事にも注目が集まるが、遠山六段は「うなぎをよく食べます。栄養価が高く、早くエネルギーになると聞いたので。棋士はそれぞれに考えていると思います。うなぎだけだとビタミンが不足してくるので、対局の途中で野菜ジュースなどを飲んでいる」と話した。
このコメントにも、橋本氏は「本当にすごいですね。棋士のような脳を使う方は、食事だけでなく間食も大事。適宜、栄養を補っていくとパフォーマンスが上がる」と称賛した。
ステチェンスカ女流1級は対局中に「おにぎりを2つくらい食べています」とのことだったが、橋本氏いわく「おにぎりだけだと、糖質だけになってしまうので途中で集中力が切れてしまう。バランス栄養食品などを間食に摂ることで、パフォーマンスを維持できるはず」と助言。ステチェンスカ女流1級はその言葉をかみしめながら、「確かに、途中で集中力が切れてしまったことがあった」と振り返っていた。
「カロリーメイトを食べて、将棋にすべてをかけ『段』に挑みたい」と、棋士としての抱負を語っていたステチェンスカ女流1級。栄養スポンサー契約によって、今後どのような飛躍を遂げるのか注目していきたい。