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格闘技会場よりノリノリの観客

――今回のスタジオ収録にお邪魔させていただいたのですが、カメラの台数が他の番組より多い気がしました。

前回は予算的なこともあって通常の番組より少なかったんです。それで、実際に収録して編集するにあたって、ブロッカーが早押しした時にグッと寄るのが盛り上がるんですが、それが収録できていないということもあったので、今回は普通の番組より多いと思います。東西南北の壁に向けて有人カメラを1台ずつ、無人定点カメラも1台ずつ、二朗さんを押さえるカメラ、チャレンジャーを押さえるカメラ、四方の隅にクレーンカメラが2台、それに裏でスペシャルチャレンジャーを押さえるカメラを3台くらい用意しました。

――あのコロシアム風のセットは、スタジオに独特な雰囲気を作り出しますよね。

僕はずっと『RIZIN』を担当していて、格闘技が好きなので、あの雰囲気を出したいと思ったんですよ。

――ブロッカーの人たちの観衆的な感じも含めて、"決闘"という感じに見えます。

100人の参加者は全員100万円のチャンスがかかっているので、みんな緊張すると思ったんですけど、二朗さんが入場すると本当の格闘技の会場よりもめちゃくちゃノリが良かったんです。それは予想外の見どころになりました。

――みんな自由に二朗さんに話しかけたり、野次ってたりしましたよね(笑)。あれは、前説でお客さんを煽っていたわけじゃないんですね。

そうなんです。自然発生的な感じで盛り上がってるんですよ。二朗さんのキャラクターがそうさせる部分もあるんだと思います。

――今回の二朗さんの司会ぶりは、前回と比較していかがでしたか?

当初こちらからは「MCを演じる佐藤二朗で」とお願いしました。「特に100人をイジりまくったりせず、進行することに集中していただいて大丈夫です」と。前回はこのいい意味で慣れていない感じがものすごい良くて、二朗さんに対する周りからの反響もすさまじかったです。上から目線で大変恐縮ですが、今回は二朗さんがさらに進化してる感じになりました(笑)。こちらから指示を出さなくても、「お前の格好はなんなんだ!」ってお客さんをいじるようになって、すごく番組を回してくれましたね。

バラエティにおける「MC」のスタンスやパターンってもうやり尽くされてるんじゃないかって思いますけど、また新しい感じのポジションを自然に取ってる二朗さんは本当にすごいなって思います。ああいう番組のMCって緊張感出すためにチャレンジャーをあえて追い込むか、完全中立になるかだと思うんですけど、二朗さんの場合は正解するたびに横で一緒に大喜びしてますからね。

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1回目は予想外の全員チャレンジ失敗

――他にも、企画段階からは予想外だったことはありますか?

1回目の放送で、誰も100万円を獲得できなかったのが予想外でした(笑)。本当に収録直前まで100万円が出るのか、誰も分からない状況だったんですが、出ないと出ないで番組的にヤバい、出すぎても予算上ヤバい…という状況で突っ込んでいったんです。でも、結局出なかったので、それはそれで正直に放送しました。

――実際に番組化するにあたって、濱野貴敏さん木月洋介さんといった上司のプロデューサーからアドバイスはありましたか?

それで言うとすごい助かったのが、自分の好きなようにやれとおっしゃってくれたんです。もちろんCMはこのタイミングでいくべきといったテレビの戦略的なアドバイスはいただくんですけど、内容や演出面に関しては一切言われないので、そこが非常にやりやすかったですね。

――コラムニストの能町みね子さんがこの番組が大好きで、千葉さんも参加した先日の『久保みねヒャダこじらせライブ』でパロディ企画をやるほどでしたが、能町さんは、今回の放送に念願かなって参加してますね。

実は、能町さんは前回、ガチで応募してきたんですよ。参加者の応募フォームを毎日チェックしていたら、ある日能町さんの写真がボンっと出てきて、「いるんだよなぁ、こういういたずらしてくる人…」と思って読み進めていくと、本物の能町さんだということが分かって、「木月さん!能町さんが応募してきました!」って言ったら「マジで!?」って(笑)

――他にも著名人の参加希望はあったんですか?

はい、セクシー男優のしみけんさんも応募してきてくれました。ただ、前回は一般人の方だけでやりたいという思いもあったのであまりに有名な方に関してはお断りさせていただいたんですけど、今回は、芸人さんもいますし、『今夜はナゾトレ』の東大謎解き集団の松丸亮吾さんも参戦されています。当然ノーギャラで(笑)。本当にありがたいです…。

――前回の放送ではSNSでも大きな反響がありましたし、今回の収録で「こんなに感動するクイズ番組があるんだ」と言っていた参加者もいましたが、クイズ好きの人の血を騒がす番組なんだと思います。

そうですね、本当にありがたいです。

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  • 能町みね子(左)と松丸亮吾さんの挑戦 (C)フジテレビ

佐藤二朗×子供の化学反応

――前回から今回で改善された点はありますか?

スタジオの暗さですね。前回があまりにも暗かったので(笑)。今回は22時のプライムタイムで見る人も増えるからということで、多少色味を変えたり、ピカピカピカって光る照明に変えたりしています。

――ルールは変わらないですね。

はい、全く同じです。他に変わった点は、女性の応募者がすごく増えたので、前回は10人もいなかったのですが、今回は40人くらいまで増えています。小さい子も増えて、最年長になると63歳。いろんな人が集まって、より"ジャングル感"が出せましたね。

――この番組の面白さはいろいろあると思うんですけど、その1つが、そうやって老若男女が同じ土俵で戦うことができるというところですよね。そう言えば、東京駅で二朗さんに声をかけたという子供も参加していました(笑)

オーディションにお母さんと一緒に来て、"あるジャンルへの愛"がすごく強い子だったんです。後日、二朗さんと打ち合わせをしたときに「千葉、俺に話しかけてきた子がいてさー、オーディションを受けたんだって。○○○くんっていうんだけど…」って言われたんで、「その子、合格してますよ!」ってなって。本番のスタジオでもイジってましたけど、あれはすごい偶然でしたね。

――キャラクターが強い子でしたよね。オーディションのときもあんな感じだったんですか?

それが全然違って、めちゃくちゃおとなしかったです。最後に「ありがとうございました!」って言って、「あんな真面目な子供がいるんですねぇ」なんて話をしていたのに、いざ本番のスタジオに来たら超自由で(笑)。でも今回、二朗さんと子供っていう組み合わせが、ものすごい化学反応になって面白いなと思いました。他にも女の子が参戦しましたが、普通に二朗さんとじゃれあってて、編集してても一番面白かったです(笑)。二朗さんは「精神年齢が一緒なんだ」とおっしゃってましたけど(笑)