3月27日、ファーウェイはパリで開催した発表会において、最上位の「P」シリーズの最新モデルとして「HUAWEI P20/P20 Pro」を発表。かねてより予告してきたトリプル(3眼)カメラが注目を浴びている。

  • HUAWEI P20 Pro

2017年にスマホの世界シェアで3位となったファーウェイは、今後1〜2年で2位を目指すという。果たしてそのフラグシップモデルはどのように進化を遂げたのだろうか。

最新ハードとAIの組み合わせでカメラの常識を覆す

2017年、ファーウェイは世界で1億5300万台のスマートフォンを出荷し、シェア3位となった。中心を占めているのは中・低価格帯のスマホとみられるが、最上位モデルの存在感は下位モデルのブランドイメージを左右することもあり、注目度は大きい。

  • パリの発表会に登壇した、コンシューマー事業部門CEOのリチャード・ユー氏

発表イベントは、ライカと共同開発したカメラの紹介を中心に進行した。P20 Proには3つのカメラを搭載し、メインのセンサーは4000万画素。3つ目のカメラは光学3倍相当のレンズを搭載するなど、順当なスペックアップを遂げている。

  • P20 Proが搭載した「3眼」カメラ

専門サイト「DxOMark」による評価ではP20 Proが「109」、P20が「102」と、いずれもiPhone XやGalaxy S9を大きく上回り、スマホカメラの最高峰に達したことをアピールした。 また、カメラの進化はハードだけでなく、ソフトも欠かせない要素になっている。ファーウェイはここに人工知能(AI)技術を投入しており、P20シリーズでは特に夜景の撮影が進化。三脚を使うことなく、4秒や6秒といったシャッタースピードの撮影が手持ちでできるようになった。

  • 三脚なしで撮影したシャッタースピード「4秒」の作例

こうした夜景撮影では、手ぶれを防ぐために三脚などでカメラを固定することが常識だ。だが高度な画像処理技術があれば、複数の写真を合成して手ぶれを補正できる。これまでのスマホは処理能力が不足していたが、ファーウェイ製SoC「Kirin 970」のAI処理に特化したプロセッサーを使うことで、実現に至ったというわけだ。

  • P20 Proなら手持ちで雰囲気のある夜景を撮れる(パリにて筆者撮影)

スマホのカメラといえば、搭載できるセンサーやレンズの大きさに限界があることから、一眼レフのような本格的なカメラには及ばないと認識されてきた。だがハードの進化とAIによる画像処理を組み合わせることで、カメラの世界の常識を覆す進化を遂げたのは面白い点だ。