パーキングにも目を向けるウーバー
初めて聞いたのは「シティプランニング」というテーマで紹介された事業で、具体的には公共交通のリサーチやコンサルティングだった。現時点で35都市を手掛けたそうで、その中には筆者も利用経験のあるジョージア州アトランタの地下鉄も含まれていた。ロンドンの地下鉄では昨年秋から金・土曜日限定で深夜運転が始まっているが、これのリサーチも担当したそうだ。
同社は駐車場にも目を向ける。日本ではパーキングシェア、つまり個人や企業が所有する駐車場を、使用しない時間に他人に貸し出すサービスが普及しつつある。これに対して、ウーバーはライドシェアを活用。自動車は98%の時間を駐車場で過ごしているとのことで、マンション居住者や商業施設利用者のウーバー利用費を補助することで、駐車場利用者を減らそうとしている。
空飛ぶタクシーも自動運転もモビリティの一部
昨年、その構想が発表となったウーバー・エレベートも興味深かった。垂直離着陸が可能な電動小型飛行機を用いて短距離移動を提供するもので、自動車では渋滞などによって90分かかる距離をわずか9分でこなすという「空飛ぶタクシー」の一種だ。機体メーカーなどと研究を進めており、2020年に実証飛行を行い、2023年に有料での営業飛行を予定しているという。
ウーバーはこの小型飛行機を大量供給することで、ライドシェア並みに安価な移動として提供していきたいという。空中でも渋滞が起きるのではないか、空が暗くなるのではないかなど懸念材料もある中、どのように空のタクシーを実現していくかには興味を引かれる。
ウーバーはモビリティシーンを広い視野で見つめ、多くの人々がより快適で便利と感じる社会を作るべく、多角的にプロジェクトを進めているのである。自動運転もそのひとつだ。こちらについては、東海岸に近いピッツバーグでプレゼンテーションを受けるとともに、後席で体験もした。