パナソニックが調理家電の新製品セミナーを開催。今回の製品は、スチーム&可変圧力IHジャー炊飯器「Wおどり炊き」SR-VSX8シリーズと、スチームオーブンレンジ「3つ星ビストロ」NE-BS1500の新製品です。発売はどちらも6月1日。試食の感想を交えて紹介しましょう。
炊飯器の「Wおどり炊き」シリーズは、IHコイル×2の通電を高速で切り替えて熱対流を生み出す「大火力おどり炊き」と、加圧と減圧をくりかえす「可変圧力おどり炊き」という2つの「おどり炊き」を搭載したシリーズ。米のひと粒ひと粒に熱を伝え、つや、弾力、甘みのある「かまど炊きのごはん」を目指した炊飯器です。2018年の新製品では、「圧力センサー」を新たに搭載。米の鮮度に合わせて、炊き方を自動調節する「鮮度センシング」機能を備えました。
米は保存状態が大切
セミナーには、5つ星お米マイスターの澁谷梨絵さんが登場し、米の正しい保存方法など米の基礎知識を教えてくれました。「米の保管技術や、精米技術が進歩しているため、精米したての米を比べると、新米と古米の味に差はほとんどありません。米のおいしさに大きく影響するのは鮮度です。米は乾燥するとパサつき、甘みが低下します」(澁谷さん)。
米のおいしさを左右するのは精米時期よりも、精米後の保管状態とのこと。乾燥が大敵なので、乾燥を防ぐために密閉容器に入れて冷蔵庫などに保存するのが一番よいそうです。「22℃以上になると、虫が発生しやすくなるので、冷暗所で保管するのがオススメです」(澁谷さん)。
ちなみに我が家の場合、米は一度に5kg買っています。冷蔵庫で保存するのがオススメとわかっていても、入るスペースがありません。パナソニックのアンケートによれば、我が家と同じように冷蔵庫で保存したくてもできないという人が約89%いました。なんとかしたいものです。
乾燥した米は甘みが少ない
実際、味はどれほど違うのでしょうか。セミナーでは、乾燥米(精米後と比較して含水率が低下した米)と、精米したての米を食べ比べました。
乾燥米は、米の表面がざらざらとした舌触り。食べるとボソボソします。噛んでも甘みが少なく、ちょっとえぐみを感じます。一方、精米したてのお米はツヤツヤして表面がなめらかです。みずみずしく、噛むと甘みが広がります。ああ、おいしい!
さらに、乾燥米を、SR-VSX8の鮮度センシング機能を使って炊いたごはんも食べました。驚いたのは米のなめらかさ。精米したての米に近く、噛むと甘みが広がりました。精米したての米と比較するとややかたい気がしますが、鮮度センシング機能を使っていないときと比べると、おいしさが違います。
鮮度センシング機能は、SR-VSX8本体内部の圧力センサーを利用して、釜内の圧力をリアルタイムで検知し、鮮度にあわせて自動で「おどり炊き」の圧力制御を調整する機能です。新米に比べて、乾燥した米は減圧のスピードが速いので、スピードの違いで鮮度を検知しています。
米どころ6県が「おいしく炊ける」と推奨
セミナーでは、今年の新しいお米、新銘柄の紹介も行われました。宮城県の「だて正夢」はもちもちとした食感と甘みの強さが特長、福井県の「いちほまれ」は白くて透明感があり、ぷりっとした食感とやさしい甘さが特長の米です。新製品では、この2銘柄を含む50銘柄の米の特長に合わせて、火加減を調整する「銘柄炊き分けコンシェルジュ」を搭載しています。
澁谷さんは、「だて正夢はもちもち感が強いので、炊くのが難しい米です。粘りが多いので水加減の調整が難しいのです。水分が多いとべたべたするし、水を少なくしてしまうとかたくなります。銘柄炊き分けコンシェルジュを使うと、だて正夢のような炊くのにコツがいる銘柄も、水加減を調整せずに米の特長を引き出しておいしく炊けて、感動しました」といいます。