3月23日、写真ファンの間で大きな話題になっているソニーのフルサイズミラーレス一眼「α7 III」がいよいよ発売となりました。価格と性能のバランスのよさでヒットとなった従来モデル「α7 II」を使っている人は、α7 IIIに乗り換えるかどうか悩んでいるのではないでしょうか?

今回は、α7 IIIの撮って出し画像を掲載するとともに、高感度域を中心にα7 IIと同一シーンで撮り比べ、画質の差をチェックしてみました。

  • 3月23日に販売が始まったソニーのフルサイズミラーレス一眼「α7 III」(ILCE-7M3、右)。ボディー単体モデルの実売価格は税別230,00円で、主要な量販店では在庫がある状態だ。従来モデルの「α7 II」(ILCE-7M2、左)と描写を比較してみた

高感度撮影時の画質が大幅によくなった

撮像素子は、新開発となる有効約2,420万画素のフルサイズ裏面照射型CMOSセンサーを採用しています。画素数こそ先代モデルとほとんど変わりませんが、画質は着実によくなったと感じます。特に、撮像素子が裏面照射型になったことで、高感度特性がグッと向上したのが見逃せません。

以下に、α7 IIと同一シーンで撮り比べた作例を掲載しましたが、高感度撮影時は画質が明らかによくなったことが確認できました。低感度でも精細感が増した印象で、画質は着実に改善されたといえます。

  • 【感度:ISO50 左:α7 IIIで撮影 右:α7 IIで撮影】ISO50は拡張感度となるが、絞りやシャッタースピードの関係で使用するケースもあるだろう。α7 IIIは拡張感度ながら画像が眠くならず、シャープさを保っているのが分かる

  • 【感度:ISO100 左:α7 IIIで撮影 右:α7 IIで撮影】気温が高くなって揺らぎが出やすくなり、遠景の撮影に苦労する季節がやってきた。どちらの機種も素晴らしい写りだが、α7 IIIのほうが精細感を感じるだろう

  • 【感度:ISO6400 左:α7 IIIで撮影 右:α7 IIで撮影】α7 IIIならばこの感度は常用できるといってもいい。空の色やグラデーションの表現、山の端の描写など、さすが最新モデルというべき実力である。星の鮮明さにも注目したい

  • 【感度:ISO25600 左:α7 IIIで撮影 右:α7 IIで撮影】カメラを交換した際に露出補正ダイヤルが動いてしまい、露出が両者で異なってしまったので厳密な比較はできないが、描写がかなり違うのが分かるだろう。α7 IIIのほうがフラットな面の描写がスムーズなことや、ノイズの形と大きさが整っていることが分かる

ISO25600やISO51200でも実用OK

続いて、α7 IIIを使ってISO25600~204800の超高感度域で撮影し、ノイズの出方がどう変化するのかをチェックしました。ISO51200の超高感度でも十分に使える仕上がりになったのには驚かされます。

  • 【感度:ISO25600】光量が少ない漁港で高感度撮影を試したが、実にキレイな描写である。明るい都会で撮ればクリーンな印象さえ受けるだろう

  • 【感度:ISO51200】これほどの高感度でも、まだ実用的に使えると感じた。新型の裏面照射型CMOSセンサーの実力が体感できる

  • 【感度:ISO102400】このあたりからノイズが目立ってくる。細かい部分を気にしなければ、まだまだ鑑賞に耐えるレベルといえる。これは正直スゴいと感じる

  • 【感度:ISO204800】さすがにこれほどの高感度になると、ディテールの描写は崩壊してノイズも荒くなってくるが、何が写っているかは被写体によっては確認できる。このカメラはベーシック機といいながらも、とんでもない性能を秘めていると感じた