自動化が進んで社員の数がまばらだったSMTセンターに対し、QEラボと呼ばれる信頼性テスト工程では、多くの社員が手作業で1つ1つ実験を行っている様子が印象的でした。ここでは電気性能試験、構造試験、環境劣化試験など、150を超える試験が実施されているとのこと。
実際にスマートフォンでゲームやビデオ撮影などを行い、その表面温度を調べる温度試験や、乾燥した環境を想定した静電気試験、10cmの高さから表裏1万回ずつ、残り4面を2,000回ずつの合計2万8,000回落とし続ける落下試験、端末を1,000回ねじる試験、USBコネクタやボタンの耐久試験、防水試験など、一見地味な試験に若い社員達が黙々と取り組んでいました。
説明員によれば、OPPOはスマートフォンをグローバルに展開しているため、さまざまな環境でも耐えられるよう、利用シーンを想定した試験を実施しているとのこと。ユニークなものでは、海に近い場所に暮らすユーザーを想定し、塩水を噴霧した端末を高温多湿環境に置いて腐食を調べる試験や、汗や化粧品による影響をチェックする試験なども行われています。ほかにもビールやワイン、コーヒー、シャンプーなどを使って、日常生活で起こるさまざまなトラブルを想定した試験を行っているそうです。
今回QEラボはガラス越しの見学でしたが、SMTセンターでは工場の中で特に制限されることなく自由に撮影が許可されたことに驚きました(ハードウェアの製造工場は撮影禁止の場所がある場合も多いです)。そのことからもOPPOがスマートフォンの製造に対して、大きな自信を持っていることが伝わってきます。
実際に製品のクオリティには、創業時からかなりのこだわりを持っているようで、「だからこそOEMを一切使用せず、100%自社製造を貫いている」と担当者。多くのOEMメーカーが軒を連ね、どんなモノでも簡単に作れるエコシステムを構築。故にハードウェアのシリコンバレーとも言われる深センで、今急成長中のスマートフォンメーカーが、真逆の発想でものづくりをしているというのが、実におもしろいと思います。