フジテレビを支えてくれた番組
――『みなさん』がここまで長く続いた理由は、何だと思いますか?
やっぱり『オールナイトフジ』からずっと一緒にやってきて、そこの関係性の土壌でできた"愛情"だと思うんです。僕ら制作スタッフだけじゃなくて、ニューテレスの技術スタッフも美術スタッフも、みんなとんねるずに愛情を持ってるし、彼らもスタッフみんなに愛情がある。だから「野猿」なんて企画ができたんですよね。
――港さんがフジテレビのバラエティ制作の部長・局長時代に長きにわたって支えていた『めちゃ×2イケてるッ!』も終了します。
僕、フジTV警察に3回捕まってますからね(笑)。禁煙条例ができたとき、当時はデスクでも吸ってたんですけど、僕がちょっと外に用事で出て、帰って仕事してると、警察官の格好した岡村(隆史)くんと矢部(浩之)くんと加藤(浩次)くんがいるんですよ。そしたら灰皿の下とか色んなところに禁煙条例のシールが貼られてて、檻に入れられたこともあったかな(笑)。他にも、大事な電話をしてたら3人が来たから、思わず「ごめん、フジTV警察来たから切るわ」って言っちゃったり、『27時間テレビ』の生放送中にサブ(副調整室)で寝ちゃったのを撮られて、選挙演説カーみたいなのに乗せられて「もう寝ません」って言わされたり(笑)
――『めちゃイケ』も21年半続きました。
本当にフジテレビを支えてくれた番組ですよ。『みなさん』と年数の差はありますけど、永遠に続く番組はないっていうことですよね。愛情っていうのは気の持ちようですけど、バラエティ番組って看板コーナーがないと続かないんです。最初のパロディ的なことをやり尽くして、やってる方も飽きてくると、次にどんな看板コーナーを作れるかということになってくる。そういうときに「食わず嫌い王決定戦」が看板コーナーになったり、僕が離れてからも「男気ジャンケン」とか「全落」とか「細かすぎて伝わらないモノマネ」とかができるんだけど、それも20年30年やってると限界があるのかなと思いますね。でも、これだけ続いたのは、すごいことですよ。
新番組は石橋貴明の魅力的な部分を
――とんねるずさんとは、プライベートでもお付き合いがあるんですよね。
よくゴルフ行ったり、ダービー見に行ったり、夜ご飯も食べに行ったりしてますよ。前より回数は減ったけど、そう言う意味では今後も関係は変わらないですね。
――4月から貴明さんは、フジの23時で新番組『石橋貴明のたいむとんねる』がスタートしますが、共テレさんが制作に入って、『みなさん』も担当していた関卓也さんがプロデューサーですね。
貴明は、『みなさん』の中ではそんなに出してなかったですが、スポーツの番組とか古舘伊知郎さんとやってた『第四学区』とかで、自分が楽しんだ頃のいい時代の細かいところをすごく記憶してて、とても面白くしゃべるんですよ。描写力もあるので、そういう魅力的な部分を出していくような番組になればいいなと思ってます。他にも、ナイナイの岡村くんの『チコちゃんに叱られる』(NHK、金曜20:00~)も始まりますし、フジでは引き続き、古舘さんの『モノシリーのとっておき~すんごい人がやってくる!~』(金曜19:00~)、TBSの『人生最高レストラン』(土曜23:30~)は7%とるような番組になってきました。
配信番組にもチャレンジ
――ドラマもフジはないですが、NHKの『デイジーラック』(金曜22:00~)、テレ東では『ヘッドハンター』(月曜22:00~)と『孤独のグルメ Season7』(金曜24:12~)が始まります。
フジ制作のドラマ枠は3枠が2枠になってしまったので、僕らとしては10月にドラマ枠をまた増やしてもらうべく頑張らなきゃいけないというのが合い言葉です。4月はフジがないですが、NHKさんとテレ東さんで頑張ります。7月にはまたフジでも制作する予定です。
――共テレさんはNetflixやAmazonプライム・ビデオといった配信サービスでも積極的に制作されている印象があります。
地上波の視聴率が落ちてきているのは事実ですし、配信は放送倫理的な部分で少し自由度が高いので、チャレンジしています。
――松本人志さんの『ドキュメンタル』は、シーズン4まで続く人気シリーズになりました。
総合演出の小松(純也)が、『ダウンタウンのごっつええ感じ』や『IPPONグランプリ』を作ってきたので、よしもとさんからの信頼があるんです。僕がとんねるずと仲良くやってきたように、ダウンタウンさんたちと仲良く一緒にやってきたことが、今につながってると思います。
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