仕事中はコーヒーが相棒、という読者も多いのではないだろうか。「せっかく飲むならおいしいコーヒーが飲みたい! でも、自分でいれるのは大変そう……」ということで、スターバックス コーヒー ジャパンのコーヒースペシャリスト渡邊さんに、初心者向けのおいしいコーヒーのいれ方を聞いてきた。
今回お話を聞いた渡邊さんは、スターバックスに5人しかいないコーヒースペシャリストの称号を持ち、社内教育プログラムの開発やコーヒーセミナーの企画などを行っている。まさにコーヒーのプロだ。
それでは早速、「おいしいコーヒーのいれ方」を教えてください!
渡邊さん「自分でおいしいコーヒーをいれるときには、難しいことを考えず4つのポイントだけを考えるんです。これさえ守れば、お店で味わうようなコーヒーを楽しめますよ。でも、これはコーヒーをいれる"ルール"ではありません。ライフスタイルに合わせて、取り入れやすいところを取り入れてくださいね」
コーヒーをおいしくいれる4つの基本
●分量
料理と一緒で、コーヒーも分量を守ることでバランスの良い味を楽しめる。スターバックスがオススメしている分量は、「コーヒー豆10gに対して、お湯180ml」。家庭にある器具で考えてみると、料理用の大さじ2杯、または一般的なテーブルスプーンで2杯分程度。お湯180mlは1カップ弱程度だ。
渡邊さん「すっきりとしたコーヒーを飲みたい場合は、豆の量を減らしたり、最初に注ぐお湯の量を増やすのではなく、コーヒー豆10g:湯180mlの割合で抽出した後にお湯を注いで薄めましょう」
●挽き具合
コーヒーメーカーやフレンチプレス等の使用器具に合わせて、豆の挽き具合はそれぞれ違う。コーヒーを抽出するとき、コーヒーの粉が水に接する時間が長いほど、粗く挽いた豆を使用し、時間が短いほど、細かく挽いた豆を使用する。
渡邊さん「とはいえ、コーヒー豆を購入する時、店舗のバリスタに使用器具を伝えれば、適切なものを紹介してくれるので、気軽に相談してみてくださいね」
●水
飲んでおいしいと感じる水なら、基本的には何でもOK! コーヒーの98%は水なので、味や匂いのない水を使おう。日本の場合、基本的に水道水でおいしいコーヒーをいれることが出来るが、もし水にこだわりたい場合には、浄水器を通した水や、市販の水(軟水)を使おう。
渡邊さん「注ぐときの理想的な温度は90~96度くらい。お湯が沸いたら、好きな歌のサビくらい(20~30秒くらいだそうです)待って注ぐと、大体ちょうどいい温度で注げますよ」
●鮮度
4つの基本の中でも最も重要なのが"鮮度"。コーヒーも、果物や野菜と同じ生鮮食品なので、1~2週間で使い切るよう心がけよう。
渡邊さん「残ったコーヒーは、ファスナー付きの保存袋などに入れて、酸素・光・熱・湿気を避けた冷暗所で保管します。冷蔵庫は、他の食品の匂いがうつってしまうのでNG! もし、とっておきの豆がある場合には、開封前の状態に限り、冷凍保存することも可能です」
次ページでは、コーヒーをいれる3つの方法を紹介する。