Xperia XZ2の背面素材が従来の金属からガラスに変更されたのも、非接触充電「Qi」に対応したところが大きい。実際に他メーカー製品を見渡しても、非接触充電対応モデルは、ガラス素材へと切り替わっている。このあたりは「非接触充電対応=ガラス素材採用」というトレードオフの関係のようだ。
筆者の正直な感想を言えば、Xperia XZ2、Xperia XZ2 Compactが披露されたとき、「ここでもデュアルカメラを搭載しないのか」と嘆き、悲しもうかと思った。その矢先、最後の最後で「デュアルカメラの技術開発を行っている」というアナウンスがあった。
さらに、ソニーモバイルとしては「単なるデュアルカメラ」のモデルではなく、それに合わせた画像処理を行う専用のチップも開発している。これにより、レンズ交換式デジタルカメラでしか撮影できないとされた最高ISO感度51200(静止画撮影時)の超高感度撮影を可能にするという。
Xperia XZ2、Xperia XZ2 Compactはデュアルカメラではない。だが、発表端末に搭載しない技術をわざわざアナウンスしたからには、近い将来にデュアルカメラ対応モデルが発売される可能性が高い。
ただし、この発表の仕方も賛否両論で「デュアルカメラモデルを開発しているとアナウンスしたら、Xperia XZ2、Xperia XZ2 Compactへの注目度が下がるではないか」という批判的な声もあれば「デュアルカメラモデルが待ち遠しい」という好意的な意見もある。
個人的には、このタイミングでデュアルカメラの発表がなければ「ソニーモバイル、終わったな」という感想で終わったかも知れない。しかし、「ソニーの技術が詰まったデュアルカメラを開発中」という宣言をしてくれたことで、首の皮一枚つながった感があり、かなり待ち遠しいとさえ思う。
ここからは勝手な推測となるが、おそらく「Xperia XZ Premium」の後継機種として、4Kディスプレイモデルにデュアルカメラを載せて登場するのではないか、と期待している。ソニーは会社全体として「プレミアムモデルで勝負する」という路線を貫いている。だからこそ、競合メーカーのように格安スマホを作ろうという気はさらさらない。
昨年、子会社が提供するnuroモバイル向けにXperiaを納入したが、それもXperia XZ Premiumであってプレミアム路線を貫いた。ただし現状では、「プレミアム路線で勝負していく」という気概こそ感じるのだが、グローバルでiPhoneやGalaxyに対抗できているかといえば、もうちょっと頑張りが必要な立場にいるように思う。
そうした厳しい状況の中で、「4Kディスプレイ」と「デュアルカメラ」という組み合わせは、おそらく他社のフラグシップモデルに対抗できるプレミアムモデルに仕上がっているのではないかと期待する。Xperia XZ Premiumの後継機種の出来が、今後のソニーモバイルを占うことになりそうだ。