日本のPC市場をどう攻めるか
ファーウェイはMWC 2018でスマートフォンの新製品を発表せず、次期フラグシップ機「HUAWEI P20」シリーズを3月27日にパリで発表することを予告するにとどまった。
代わりに発表したのが、ノートPCの新モデル「MateBook X Pro」と、Androidタブレットの新製品「MediaPad M5」シリーズだ。実は2016年にもファーウェイは初のPC製品をMWCで発表し、モバイル業界からPC市場への参入を印象付けたことがある。
再びMWCで発表する形となったMateBook X Proについて、呉氏は「PC市場へと本格的に入り込む製品として売っていく。部品も選りすぐりのものを使っている」と自信を見せた。タブレットのMediaPad M5を含め、新製品は2018年第2四半期に日本で発売するという。
一方で、ファーウェイはPC市場でどれくらいのシェアを取りに行くのか、具体的な数値は明らかにしていない。この点について呉氏は、「販売台数などの数値目標を設定する実力がまだまだ足りていない状態だ」と言葉を濁している。
その背景として、PC市場には2つの「6割」があるという。日本のPC市場は全体の6割を15インチ以上のノートPCが占めており、同時に全体の6割を法人向けの販路が占めている。だが、ファーウェイはそのどちらにも参入していない。
「PC市場でシェアを取るには、15インチ以上の製品を投入し、法人向けに寄せていく必要がある」と呉氏は認める。だが、一方でこうした売れ筋の製品は他社も充実させており、法人向けの販売チャネルも確立しているのが現実だ。
まずは第2四半期にMWCの新製品を国内投入する構えだ。だがその後、モバイル市場では破竹の勢いを見せるファーウェイがPC市場をどのように攻略していくのか、呉氏の手腕に注目したい。