三田佳子のうっかりエピソード

――お2人はプライベートでも交流あるようですが、印象に残るエピソードはありますか?

井沢:夏の暑い日にご自分でタクシーでいらして、大きなスイカをぶらさげていらしたの。ビックリしましたね。「あー、三田佳子がスイカ下げてきた」と思って(笑)。

――井沢さんのブログでは、三田さんがお家の鍵を忘れ、人が来るまで2人で冬の寒空のなか、震えたとも書かれていました。

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井沢:そうなんですよ。2人で食事をして三田さんのお家まで帰ったら門が開かないんですよ。

三田:しょっちゅうそういうことしてるんでね、もうほんとに(笑)。でも今日は大丈夫よ(笑)。

井沢:逆のこともあって、2人でたまたまマンションを尋ねたら鍵が開きっぱなしだったこともあります。

三田:よく記憶してらっしゃいますね。そういうことしょっちゅうなんですよ(笑)。

――そうなんですね(笑)。公私ともに繋がりが深いお2人ですが、お互いの関係性を一言で表すとしたら、どんな言葉が適切なのでしょうか?

井沢:私は「兄弟」かつ「戦友」です。そして女優としても、とてもリスペクトしています。その尊敬が根底にあっての「お姉さん」かな。前世でもお姉さんと弟だったんではないかと、2人で妄想を繰り広げたこともあります(笑)。

三田:一緒に戦ってきた方ですから私も「戦友」ですかね。私情が入らずに今回の作品で再び出会ったというのがうれしいです。「出して」「出すよ」というのは一切ないんですよ。役とか作品に合わないところに三田佳子を引っ張り出さない、そういう関係性がすごい美しいと思うんです。

今後はブログをやる予定も?

――話は変わりますが、三田さんといえば、1989年に発売されたエッセイ『てとテと手』では日本文芸大賞エッセイ賞を受賞されました。井沢さんから見て、三田さんの文才についてどう思われますか?

井沢:上手ですよ、それと字がお上手です。女優さんの中では樹木希林さんと三田佳子さんが特に達筆です。このエッセイは確か、帝国ホテルに籠って書かれたんですよね。私が証言しますけど、代筆ではなくて本当にご自身で書かれましたから。

三田:作家のようにね(笑)。

井沢:物書きの素質があるなと思ったのは、「お化粧してると書けないから」と言ってとっちゃった。それで「あ、この方は書くということ知ってるな」と思いました。確かに感覚的に化粧をしている状態で書くというのはダメなんですよ。

――執筆というのはそういうものなんですね。三田さんは今後そういった発信をするご予定はあるのですか?

三田:「三田さんは誤解されているところがいっぱいあるから、ブログでもっと日常の、素の自分を出したほうがいいんじゃないか」と言われたことがあって、ちょっとそういうものも死ぬ前に体験しとくのもいいかなって思いましたね。タイトルはもう考えているんですよ。私は孫が3人いるので、『ばあばの人生あみだくじ』。あみだくじはどこに行くか分からない、そういう残りのあみだくじのような人生という意味です。

――日常についてのブログ、楽しみにしております! 先ほども三田さんは「挑戦」というフレーズを挙げていましたが、最近も本当にさまざまなことをやられていますよね。数年前の『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)で、「家政婦の三田さん」をやられていたのが印象深いです。

三田:あれは参りました(笑)。SMAPの皆さんの才能をものすごく感じてたので、彼らと一緒にやるのは良かったのですが、ヒット作の主人公を私がパロディでやるというのは、役者としてはどうなのかなと。でもすごく熱心に説得されて、最後に「三田さんやってください、だって三田佳子なんだから」と言われたときには、「やるっきゃない」と思って。でも絶対にモニター見なかったです(笑)。見るのが怖くて(笑)。

――井沢さんにしましても、最近では賞を受賞されるような作品が続いたにも関わらず、今作ではかなり攻めた内容ですよね。「年齢を重ねると人間は守りに入る」と一般論では言われますが、お2人には無縁です。なぜそんなにアグレッシブなのでしょうか?

三田:大きな病気もしていますけど、昔より元気になっているんですよ(笑)。若い人と接していても楽しくて仕方ないんです。同じ仲間として同じ土俵で戦うというのが、年をとっても私が一番目指すところですから。

井沢:そして三田さんはベテランでは珍しいことに、「できるかな」と不安がっています。そして私も作品書けるか、ドキドキオドオドしているんです。安定しちゃうと老けてしまうかもしれないです。

三田:そうですね。いつもドキドキ、緊張してというのが大事だと思います。

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    『明日の君がもっと好き』に出演する伊藤歩=3月3日放送の第6話より

――最後に今後のドラマの見どころについて、三田さんからお願いいたします!

三田:放送予定の第6話、第7話は、私が演じる静子さんも前面に出てきて、こういう人だったのかと分かると思います。本当に脚本もすごかったんですよ。半分狂気のような世界を、ごく普通のようにやるというのは本当に大変。でもすべての役者さんたちがよく悩み、絶対に音を上げないで乗り越えてやってらっしゃいました。そして私も一番ベテランでありながら乗り越えられないと恥ずかしいので、頑張りました。ぜひ、ご覧いただければと思います。

≪三田佳子衣裳協力≫ ・プレインピープル ・フォーエバーマーク