キャンピングカーで「時間と空間から自由」に
日本の新車市場は、1990年の777万台をピークに現状で500万台ラインの攻防となり、保有の循環型需要の流れを示し、先行きについては少子高齢化の進展で厳しい見方が多い。それでも世界の国別新車市場としては、中国、米国に次ぐ3位の座にある。若者のクルマ離れが言われて久しいが、一方で地方部における軽自動車の根強さなどを見ると、クルマ社会の定着でクルマが生活の必需品となっていることがわかる。
キャンピングカーショー自体も、オートキャンプのためのキャンピングカーということにとどまらず、クルマで移動することで「時間と空間から自由になれる」(野瀬氏)という新たなモビリティサービスとしての方向づくりに変わろうとしている。ジャパンキャンピングカーショーは、昨年から「クルマに、もっと物語を。」をキーワードにブランディング戦略を進めているという。
車中泊を楽しもうとする層は意外に多い?
日本のクルマ社会の成熟の中にあって、オートキャンプを楽しむキャンピングカー10万台の保有層がピラミッド構造の頂点にあるとしたら、車中泊を楽しむ(楽しもうとする)層は、もっと幅広い。ミニバンからSUVやジープタイプ、ステーションワゴンなどに加え、軽自動車のキャンピングカー仕様などもいかにも日本的である。
移動と宿泊をどう楽しむか、クルマの物語性を見つめ直す時代に入ってきたのかと考えさせる。これに、モビリティサービスの方向を問う新たなうねりがつながってくるのではないだろうか。