サムスンやLG、KT(KOREA TELECOM)など大手企業の巨大なブースに目線を奪われがちですが、実はMWCのメイン会場である「Fira Barcelona Gran Via」には毎年韓国から驚くほどたくさんのベンチャー企業が出展しています。2018年は会場の至るところに「韓国ブース」が目立ち、そのパワーに圧倒される一方で、日本のベンチャー企業のアイデアや先進技術も、もっとMWCで華々しく紹介されればいいのにとじれったく感じることもあります。
今年も韓国のベンチャー企業の出展は勢いがありました。中でもOmniC&S社の脳波を測定するヘッドギア「OMNI Brain」が画期的でした。
ヘッドギアの内側には脳波を測定するための2つのピックアップがあり、左右の耳に心拍センサーを内蔵したイヤホンを装着して測定を開始します。操作はBluetoothでペアリングしたスマホの専用アプリから行う仕様。1分ほどの測定で心のストレス状態、高揚度やメンタルのバランスを総合評価するための情報が集まって、アプリで様々な診断ができます。
何度か測定を繰り返してパーソナルデータを集めると、ユーザーの集中力が最も高まるタイミングがわかるので、学生やアスリート向けのツールとしてもアピールする計画があるそうです。発売予定は2018年の6月。
韓国国内の医療法に即したメディカルデバイスとして現在申請中なのだとか。ソウル国立医大病院のスタッフと医療系の機能・サービスも開発が進められています。
ちなみに同社は心拍センサーを内蔵するリング型のヘルスケアデバイス「OMNI Ring」を先行して商品化しています。こちらは199ユーロ。同社のスタッフによると「日本発売に向けてパートナーと準備を進めています」とのこと。年内には発売されるかもしれません。