SUVでもジャガーライクな走りを追求
ジャガーがSUVに参入した理由の2つ目としてハンソン社長は、「最近は技術がとても進歩して、このタイプのクルマを、ジャガーとしてのキャラクターを保ったまま開発することが可能となった。例えばシャシーやボディなどの部分でだ」と語った。「車高が高いクルマであっても、“ジャガーライク”な走りを実現することができるようになった」として、ハンソン社長はジャガー製SUVの出来栄えに自信を示す。つまり、売れるタイプのクルマを、ジャガーらしさを損なうことなく作れる環境が整ったことが、同ブランドがSUV市場に参入した理由というわけだ。
では、ジャガーらしいSUVの乗り味とはどんなものなのか。若林氏はジャガーの創業者であるサー・ウィリアム・ライオンズ氏の「車とは我々が創造しうるものの中で、最も生き物に近い」という言葉を引き合いに出しつつ、「ジャガーは動物のようなクルマといっているので、乗ってワクワクするとか、楽しいとか、癒されるといった効果も期待できる。E-PACEを選んでもらえれば、人生が豊かになる」とする。
SUV市場はまさに群雄割拠の様相を呈しており、価格帯やセグメントの分け方で考えた場合、E-PACEはBMW「X1」、ボルボ「XC40」、メルセデス・ベンツ「GLA」、レクサス「NX」、アウディ「Q3」などと競合するというのが若林氏の予想だ。しかし、選択肢が飽和状態のSUVセグメントで、あえてスポーティーな部分を突出させて商品化したE-PACEである以上は、「ポルシェの『マカン』とガチンコ勝負」(若林氏)をしたいという思いもあるようだ。