花咲き、鳥の鳴く「肥後細川庭園」でまったり

「肥後細川庭園」は、幕末に肥後熊本の藩主・細川氏の下屋敷となった場所で、小高い丘の地形を生かした自然豊かな庭園となっている。丘にのぼり、森林の中にたたずむと鳥の声が聞こえ、眼下に広がる池がさんさんと輝く。まるで山奥で湖を見つけたかのような光景だ。

  • 山あり、滝ありで、野山をそのままに感じられるよう

    山あり、滝ありで、野山をそのままに感じられるよう

  • 池の水は湧き水とのこと

    池の水は湧き水とのこと

庭園の一角には、かつて細川家の学問所だった「松聲閣(しょうせいかく)」があり、丘の上には旧細川公爵家の家政所(事務所)だった「永青文庫」がある。どちらも趣ある建築で、内部の見学もできる。庭園と松聲閣は無料、永青文庫は一般800円となる。

  • 松聲閣は入館無料。日本家屋でくつろぎながら、花咲く庭園を眺めることができる。喫茶室ではお茶と熊本のお菓子も楽しめる。お菓子は、東京では松聲閣と永青文庫でしか食べられないものだそうだ

    松聲閣は入館無料。日本家屋でくつろぎながら、花咲く庭園を眺めることができる。喫茶室ではお茶と熊本のお菓子も楽しめる。お菓子は、東京では松聲閣と永青文庫でしか食べられないものだそうだ

  • 熊本県ゆかりであるため、震災復興支援のためのグッズも販売中。「阿蘇神社復興支援プロジェクト 蛍丸サイダー」(300円)

    熊本県ゆかりであるため、震災復興支援のためのグッズも販売中。「阿蘇神社復興支援プロジェクト 蛍丸サイダー」(300円)

  • 庭には、水を汲んで地中の壺に流し、その反響音を竹筒から聴く「水琴窟(すいきんくつ)」がある。幻想的な音色だ

    庭には、水を汲んで地中の壺に流し、その反響音を竹筒から聴く「水琴窟(すいきんくつ)」がある。幻想的な音色だ

  • 永青文庫は昭和初期の建築。数々の美術品や資料が展示されている

    永青文庫は昭和初期の建築。数々の美術品や資料が展示されている

  • 永青文庫から肥後細川庭園へは、この石の門をくぐって行く

    永青文庫から肥後細川庭園へは、この石の門をくぐって行く

●information
肥後細川庭園
東京都文京区目白台1-1-22

大正ロマン漂う「鳩山会館」

鳩山会館はその名の通り、元総理である鳩山一郎氏の邸宅だった洋館を修復し、一般公開しているものだ。内部にはいくつもの部屋があり、その内の応接室は、鳩山氏の総理時代に政治の重要な舞台にもなったとのこと。大正ロマン漂う館内を歩きつつ、当時の政治家たちが日本について語り合っていた様子を想像してみてはいかがだろうか。入館料は大人600円となる。

  • ただし、毎年1月、2月、8月は休館。その間は外観を遠目にしか見ることができない。冬場は枯れ木も山のにぎわいのごとくだが、春から秋にかけては美しい景色となるだろう

    ただし、毎年1月、2月、8月は休館。その間は外観を遠目にしか見ることができない。冬場は枯れ木も山のにぎわいのごとくだが、春から秋にかけては美しい景色となるだろう

●information
鳩山会館
東京都文京区音羽1-7-1

結婚式場として知られる「ホテル椿山荘東京」は、明治時代の政治家・山縣有朋氏の邸宅と庭園があったところだ。ちなみに、先ほどの細川家は細川元総理のご先祖にあたる。鳩山元総理の鳩山会館といい、どうやらこのあたりは政治家づいているようだ。

椿山荘の広大な庭園には様々な木々が植えられ、春には桜の名所となる。無料で散策することができ、外国人旅行者にも人気だ。庭園を見下ろすホテルのティールームで、少し優雅な時間を楽しんでみてもいいだろう。

  • 椿山荘の向かいにある、斬新な近代建築の「カトリック東京カテドラル関口教会」。東京都庁やフジテレビ本社などを手がけた丹下健三氏の設計だ

    椿山荘の向かいにある、斬新な近代建築の「カトリック東京カテドラル関口教会」。東京都庁やフジテレビ本社などを手がけた丹下健三氏の設計だ。内部にはパイプオルガンがあり、誰でも入場できるコンサートなども行われる

  • 椿山荘の隣には、講談社の創業者である野間清治氏のコレクションや資料を展示した「野間記念館」がある。前庭はとても静かで清楚な雰囲気だ

    椿山荘の隣には、講談社の創業者である野間清治氏のコレクションや資料を展示した「野間記念館」がある。前庭はとても静かで清楚な雰囲気だ

江戸川橋は、「江戸」から連想される雑多なせわしなさではなく、静けさのある街のようだ。間近に大通りや高速道路が通ってはいるものの、少し奥へと入り込めばゆったりとした時間が流れている。わざわざ遠くへ旅に出なくても、自然や文化を十分に満喫できるに違いない。ちょっと疲れた週末には、江戸川橋でのんびりと旅をしてみてはいかがだろうか。

※価格は全て税込

筆者プロフィール: 木口 マリ

執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。旅に出る度になぜかいろいろな国の友人が増え、街を歩けばお年寄りが寄ってくる体質を持つ。現在は旅・街・いきものを中心として活動。自身のがん治療体験を時にマジメに、時にユーモラスに綴ったブログ「ハッピーな療養生活のススメ」も絶賛公開中。