Appleの2018年第1四半期決算の中で、iPhone、サービス部門と並んで注目したいのがその他の製品部門だ。ここにはApple Watch、AirPods、Beats製品、アクセサリ類が含まれている。発売されたばかりのHomePodも、この分野の売上高に含まれる。
今回の決算発表では、売上高54億8,900万ドルで、前年同期比36%増を記録した。特に、Apple Watch、AirPods、Beats製品のウェアラブルデバイスの売上高、販売台数はともに前年同期比で50%増加し、過去最高を記録した。
この中で最も勢いがあるのが、Apple Watchといえる。
Apple Watchは2015年4月に発売され、2016年9月に処理能力強化と防水機能を備えたApple Watch Series 2、2017年9月にはGPSを搭載しセルラーモデルを追加したApple Watch Series 3が登場した。Apple Watch Series 3は、販売台数こそ明らかにされていないものの、台数ベースでSeries 2の2倍以上の数字を記録した模様で、Appleも、好調さをアピールする。
Apple Watchは、ウェアラブル市場全体の半数のシェアを占めており、2017年は1,500万台前後が販売されたとみられている。結果として、腕時計ブランドの売上高トップだったロレックスを追い抜き、世界で最も多くの売上高を得る時計ブランドとなった。
Apple Watchの市場の中でのポジションは、iPhoneと非常に似ている。最も多くの販売台数を維持しながら、平均販売価格を上昇させる付加価値を次々に追加しているからだ。例えば、Apple Watch Series 3のセルラー機能がそれにあたる。セルラーなしモデルは329ドルから販売されているが、セルラーモデルは399ドルと、70ドル価格が上乗せされている。
iPhoneと異なる点は、ケースの素材やバンドでも販売価格での差別化を図っている点だ。Apple Watch Series 3では、ステンレススチールモデルはセルラーモデルのみとなり、599ドルからと、アルミニウムモデルと比べて200ドル価格が上昇する。さらに、スペースグレイのステンレススチールモデルとスペースグレイのミラネーゼループモデルは、749ドルとなり、アルミニウムのセルラーモデルと比較して350ドル追加しなければならなくなる。Hermesモデルでは、最高価格は1,399ドルだ。同じ性能の製品の中で、モデルによって2〜3倍の価格を付けることができるデジタル製品を他に見つけるのはなかなか難しいだろう。
また、Apple Watch向けのバンドは、季節ごとに新色を発表し、アプリを追加するように、異なる雰囲気を楽しめるという、新しいデジタル機器のあり方を提案できている。