フェラーリは新型車「ポルトフィーノ」を日本で初公開した。このクルマはV型8気筒3.9リッターターボエンジンを積む新たなGTカーで、「カリフォルニアT」の後継車としてフェラーリのエントリーモデルに位置づけられる存在だ。「カリフォルニアT」と先代の「カリフォルニア」では新規顧客の獲得に成功したというフェラーリだが、この重要な役目をポルトフィーノは引き継ぐことができるのだろうか。

  • フェラーリ「ポルトフィーノ」の外観

    イタリアはリビエラ海岸にある港町「ポルトフィーノ」にちなんで名づけられたフェラーリの新型車。停止状態から時速100キロまでの加速に要する時間はわずか3.5秒だ

妥協を許さず開発、価格は2,530万円から

「『ポルトフィーノ』は一切の妥協なく一から作り直したクルマ。比類ないパフォーマンスと極上の居住性を両立させた上、ドライビングエモーションまでを兼ね備える。こんなクルマは現在の市場に存在しない」。ポルトフィーノのジャパン・プレミアに登壇したフェラーリ極東・中東エリア統括CEOのディーター・クネヒテル氏は、新型車の出来栄えに自信を示す。ポルトフィーノの特徴は「アウトドアライフを満喫できるスポーティー感」であり、その乗り心地は「広い海に出て髪を海風になびかせている」ような感覚だそうだ。

フェラーリらしいパフォーマンス(走り)を備えつつ、GTカーとしての居住性を持たせたところに開発の苦心があるらしい。車体の後部にかけて流線型を描くファストバック・クーペというスタイルに、電動で開閉できる屋根(リトラクタブルハードトップ)を備えるポルトフィーノであれば、1台のクルマで2つのボディ・タイプを楽しむことが可能だという。カリフォルニアTに比べ80キロの軽量化を成し遂げた一方で、ボディ剛性を向上させたことにより、よりシャープな走り味を実現した点もクネヒテル氏は強調していた。

  • フェラーリ「ポルトフィーノ」の内装

    ちょっとしたドライブにも乗っていける居住性はGTカーに不可欠な要素だが、ポルトフィーノは「ゆとりあるコックピットと2人が座れるリアシートを同時に提供」(クネヒテル氏)する。屋根を閉じた状態だと中型のキャビン・トロリー(いわゆるキャリーバック)3個を収納できるトランクの広さも特徴だ(画像提供:フェラーリ・ジャパン)

ポルトフィーノの車両本体価格は2,530万円から。日本での納車は2018年の第3四半期頃に始まる予定だという。この価格であっても、ポルトフィーノはフェラーリにとってエントリーモデルということになる。“初めてのフェラーリ”として新規顧客を獲得するという役割を、ポルトフィーノは先代「カリフォルニアT」から引き継ぐわけだ。