ファンド支配から脱却、長期的な視点で投資が可能に
2006年に戦略的な上場廃止を行い、その後はファンドの支配下にあったすかいらーくだが、2017年にはファンド株主が保有株式の全てを市場に売却した。ファンドの支配から脱却したすかいらーくでは、短期的な目標を追うことだけにフォーカスするのではなく「従業員と店舗に投資していくつもり」(以下、発言は金谷常務)だという。年間100店舗ペースの出店も継続していくそうだ。今回、スタディストのマニュアル作成・共有プラットフォーム「Teachme Biz」を導入するのは、従業員への投資の一環だ。
Teachme Bizは、画像を中心に調理のポイントなどを分かりやすく解説したマニュアルを作成できて、それをスタッフが多様なデバイスで閲覧できる体制を整えられるプラットフォームだ。スタディストは国内外の約1,800社に同サービスを有償提供している。
簡単に言えば、従来は紙で作っていたマニュアルをデジタル化し、スタッフがスマートフォンやタブレットなどのデバイスで、いつでもどこでも閲覧できるようにするのがTeachme Bizだ。
料理手順の微妙なニュアンスも説明しやすく
多くの会社で採用されている紙のマニュアルだが、作るのも、全てのスタッフに閲覧可能な環境を整えるのも大変だ。厳密に1人1冊を徹底すれば、それだけで大きなコストになる。また、マニュアルは不変のものではなく、常に内容を精査して刷新すべきものなので、そのメンテナンスも紙だと手間だ。
作るのも大変だが、紙のマニュアルは使う場合にも不便がある。例えば店舗において、新商品の作り方などを紙のマニュアルで説明しようとした場合、大きな作法は共有できたとしても、細かいニュアンスは伝わりにくい。マニュアルを閲覧するスタッフに外国人もいるとすれば尚更だが、同じ日本人であったとしても、伝わりにくい言葉の言い回しはいくらでもある。「こんがり焼く」とか「さっと炒める」といった言葉がマニュアルに記載されているチェーン店では、全ての店舗で同じ品質のメニューを提供することが困難だ。
その点、Teachme Bizであれば、画像と動画をベースとするマニュアルをスマートフォンだけで作成し、配信することが可能だ。簡単に作れるし、動画による解説は入社したばかりのスタッフにも理解しやすいだろう。多言語のマニュアルが作成可能な点は、外国人スタッフが増え続ける現状にも即している。