2月15日、都内にて富士フイルムの新製品発表会が行われた。発表されたのは、レンズ交換式ミラーレスデジタル一眼「Xシリーズ」でフラッグシップの一角となる「X-H1」と、Xマウント対応の高性能シネマレンズ「フジノンレンズMKX18-55mmT2.9」「フジノンレンズMKX50-135mmT2.9」だ。会場にはタッチ&トライコーナーも設置され、さっそく実機に触れることができた。
タッチ&トライ会場には豊富な「X-H1」が用意されていた。3月1日と発売日が迫っていることもあり、展示機は市場流通品と同等の仕上がりだ。X-H1の「Hはハイパフォーマンスの意味」とメーカーが語る通り、手に持つだけで、その剛性の高さを実感できる。
ボディは「X-T2」よりひと回り大きく、600gを超える重量(623g、ボディのみ)ながら、不思議と重くは感じない。ホールドしやすい大型グリップと、レンズ装着時のバランスの良さがそう感じさせるのだろう。オプションの専用バッテリーグリップや望遠レンズを装着しても、手持ちの長時間使用も可能と思えた。
X-H1を使ってみてまず衝撃を受けるのは、新開発のスプリング式「フェザータッチシャッター」の上品かつソフトで心地よいフィーリングと、一段と進化したEVFのスムーズさだろう。
シャッターボタンの押下は浅めだが、押した手ごたえはしっかりと指に残る。レスポンスも良好なので、新設のAF-ONボタンの押しやすい位置とも相まって、親指AFでの撮影が短時間で実にテンポよく決まるのだ。それはもちろん、先に述べた自然でスムーズなEVFと見やすさと、5軸5段(最大5.5段)の強力な内蔵型の防振(手ブレ補正)機能に支えられている。
新装備、新機能を数多く搭載するX-H1だが、画質の多くを司る映像エンジンはX-T2と同等とのこと。質疑応答で記者から「従来のXシリーズの旗艦とどのように差別化するのか」という問いがあったが、これについて富士フイルムは「X-Tシリーズは、あくまでミラーレスならではのコンパクトサイズを重視しながら高画質を追求する」と回答。「もしX-T2に防振機能を内蔵すると、X-H1よりボディが大きくなる」ともコメントした。それだけ「他の部分の集積化」がX-H1より進んでいる、ということなのだろう。
ところで、すでに光学式の手ブレ補正機能を装備しているレンズをX-H1装備した場合、5軸の防振効果は得られるとのこと。ただし、5段の効果に関しては今後の課題とした。