第3弾『仮面ライダーゲンムVSレーザー』は、仮面ライダーゲンム/檀黎斗と仮面ライダーレーザー/九条貴利矢との因縁の対決を主軸に据えたストーリー。新たなガシャット「ゴッドマキシマムマイティX」を手にした檀黎斗が仕掛ける最後のゲーム「ゾンビクロニクル」によって、世界は未曾有のパニックに陥った。エグゼイドの「ムテキ」に勝るとも劣らない強大な力を得た黎斗を止めるための鍵に気づいた貴利矢は、黎斗の父・檀正宗からある言葉を託され、単身ゲンムに立ち向かう。果たして2人の、そして世界の運命は如何に……?
仮面ライダーゲンム/檀黎斗を演じる岩永徹也は、「黎斗としては、誰かと向き合って話をしてこなかった。特に貴利矢くんとはね。だからこの作品で、見つめ合って、殴りあって……どうでしたか、みなさん!?」と、これまでにない黎斗の激しい面を表現できたことに喜びを感じつつ、作品の出来栄えを観客に熱烈アピールした。
貴利矢との対決シーンでは、『エグゼイド』名物というべき「雨」の洗礼を受けたという岩永。そのあまりの寒さに「ライフを失うかと思った」と感想を述べた。対決シーンの撮影は、2017年10月に行われた『仮面ライダーエグゼイド ファイナルステージ&番組キャストトークショー』の直後に行われ、まさにクランクアップ直前というタイミングだったという。
岩永はそのときを振り返って「トークショーでファンのみなさんとの一体感を感じていたので、その気持ちを引きずったままあのシーンに入りました。これが『エグゼイド』の最後の撮影だなと、強い思いを込めることができました。いつもバグヴァイザーの中で1人『アァーー!!』って叫んでいるだけのことが多かったのに、今回のVシネマでは貴利矢くんや永夢くんと一緒にアップを迎えて嬉しかった」と、最高のテンションで撮影を終えられたことに満足げな表情を浮かべた。
仮面ライダーレーザー/九条貴利矢役の小野塚勇人は、「これまでも、黎斗と貴利矢が向き合うときは何かが起きるんだな、と。『エグゼイド トリロジー』という3作品の大トリをゲンムとレーザーでやれるというのは、すごく意味のあることだと思って、全身全霊でやらせていただきました」と、3部作を締めくくる重い作品を作り上げることができた満足感を表していた。
貴利矢といえばテレビシリーズや映画で「雨」に打たれることの多いキャラクターだったが、このことを受けて岩永から「今回は"雨降らし"のプロがいましたから心強かったですね」と言われると、小野塚は「プロになりたくてなったんじゃない!」と厳しいツッコミを入れつつ「雨の撮影のときは、下着を何枚も着込むんですけれど、岩永くんが『こんなもんで大丈夫じゃないですか、着込むと暑くないですか』って言ってくるので、『なめたらあかん!』と、雨降らしの厳しさを説明しましたよ。それでも、雨の撮影は寒かったですね~」と、雨に打たれる撮影の経験が少ない岩永に、寒さ対策をレクチャーしていたことなどを明かした。
とにかく"雨降らし"の撮影は厳しい寒さとの戦いが辛いらしく、小野塚は「台本には雨が降り始めてから3ページくらいシーンが続いていました。クリスマスのとき(第12話)では1ページだったけど、今度はどうなってしまうのか!? しかも、前のカットでカッコつけて白衣を脱いでるんですよね(笑)。最後のカットでその白衣をかけてもらうんですが、これが雨に濡れてビチョビチョで……。思わず『冷たッ!!』って身体が反応しちゃうんです。それを抑えるのが、撮影で一番大変だったところですね」と、作品の最大の山場である黎斗、貴利矢、永夢との対峙シーンでの苦労話を語った。
作品については「今回のVシネマでは、貴利矢としてもいくつかの名言を残していますので、そこをお楽しみにしてください。貴利矢と黎斗の戦いは、プライドとプライドとのぶつかりあい。天才ゲームクリエイターでも、医者のライダーでも、最後は泥臭いつかみ合い、殴り合いになります。今はバグスターの貴利矢ですが、そこはやはり元の人間らしさがにじみ出て、よかったと思います。ぜひ何度でも観て楽しんでいただけたら」と、Vシネマを深く楽しんでもらいたい思いを熱く伝えていた。
檀黎斗の父で、幻夢コーポレーション元CEOの檀正宗をハイテンションで演じあげた貴水博之もまた3部作すべてに出演を果たし、その上本作では主題歌の歌唱をも務め上げている。貴水は息子役の岩永の演技を「最高だよ!」と称え、父子ともどもオーバーアクションで握手をし合うなど、終始ノリノリの状態。鈴村監督は、大森敬仁プロデューサーから「台本に『(ロープを)ちぎれ!』というセリフを、『ちぎ~れ!』って書いてあって、これを『アモ~レ!』みたいな口調で言ってもらって」と頼まれ「これを貴水さんに伝えるのか……」と一瞬躊躇したそうだが、貴水がすぐに「いいですよ!」と気さくにOKしてくれたことに安堵したという。
また貴水は、「今回の正宗はボロボロになっていただきます、と言われたので、どんな格好になるのかと思っていました。最初のシーンが貴利矢と面会するくだりで、そのとき正宗は黎斗にやられて、宇宙に投げ出されてドーンと月にぶつかって、みたいな」と、宇宙規模ともいえる大ダメージを受けた正宗を表現するようすを楽しそうに語った。
鈴村監督は、終始ハイテンションな檀父子の印象を尋ねられて「すごい父子だなあ、と思って撮っていた」と笑顔で語り「ただ、貴水さんがずっと縛られっぱなしで大変だったと思います」と貴水の熱演の労をねぎらった。これを受けて貴水は「8割くらい縛られていて、その上アクションもありました。僕が止まっているときに、来るんですよ、このハンサム(岩永)が! そのとき『寄るな、寄るな、身長差がバレる!!』って思った。(笑)」と、長身の岩永とのツーショットを避けたい気持ちがあったことを明かした。
すると小野塚がすかさず「俺も常日頃から思っています!」と絶妙なコメントを出し、貴水に共感を見せる場面もあった。また、岩永から「こんなにカッコよくて、そんな風に考えているんですか?」という言葉をもらった貴水が「お前には負けるよ!」と返し、互いを褒め合ってガッチリ握手を交わす場面もあり、その絶妙なタイミングと2人のドヤ顔が客席の大爆笑を呼んでいた。
また貴水は、劇中で裸になるシーンの撮影の際、「まあ、裸で出てもいいんですけれどね、40を過ぎていますので、ちょっと霧とか吹いていただいて、白~くボカしてくれたらいいですよ、って言ったんですよ。それで映像を観てみたら、思いっきりビーチク(乳首)見えてるじゃないですかーー!!」と絶叫まじりに、演出と芝居との意見のすれ違いがあったことを明かし「まあ、いいけど!」とそれすらもネタにする懐の深さを見せた。
貴水の歌う主題歌「Believer」は、1月24日に開催された『超英雄祭2018』で初披露され、ファンから割れんばかりの大歓声を集めた。貴水はこの曲について「内容的にも生きていく中での切なさ、はかなさ、とか嘆き、などが入っているのですが、自分的にはそれでも生きる望みみたいなものを感じながら前に進んでいきたいという願いが込められていると思って歌いました。気に入っていただけたら嬉しく思います」と、楽曲についての強い思い入れと、エグゼイドファンへの愛に満ちたメッセージを語った。
貴水は『超英雄祭』であまりにもファンが盛り上がってくれたので、決めゼリフの「絶版だ!」ではなく「ノー絶版だ!」と言ってしまったと語り、岩永から「それってどういう意味ですか?」と食いつかれ「"絶版なしよ!"って意味!」とフォロー。このやりとりを少々引き気味に見ていた小野塚から「今日は父子の舞台あいさつですか(笑)」とツッコまれる場面もあった。しかしハイテンションが止まらない貴水は、小野塚にも「劇団EXILE!!(笑)」と叫びながら握手を求め、小野塚が貴水の気迫に圧倒される様子がさらなる笑いを誘った。
最後に、本作の撮影で「大変だったことベスト3を挙げます!」といきなり宣言した岩永は、「まず第3位は、冒頭で真っ暗な崖の端っこに立っていて、自分がどこに立ってるかわからず怖かったシーン! そして第2位は、渋谷のビル屋上から叫ぶシーン。雨が降っていて足元がツルツルで、真下には人が小さく見えてて怖いんですよ。寒いし、震えながら撮影していました。監督はもっと端まで来てほしかったそうですけれど、ライフがなくなっちゃうので(笑)、手前で撮らせてもらいました。そして第1位!! 全裸になったシーンです。"前貼り"を股間につけて、住宅街を歩くのですが、そこに通りがかった一般の方が散歩させていた犬にが吠えかかってきたり……。その上、滝に向かう際にフェンスを越えるんですけれど、越えようと脚を上げると、(前貼りが)取れちゃうんですよ! そこで助監督の方が(股間を)押さえてね。もうすべてをさらけだしました」と、まさしく身体を張った撮影での裏話を3つ挙げ、ところどころに入る貴水の絶妙なる合いの手と共に、客席は爆笑に包まれた。
Vシネマ『仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザー・エンディング』3部作は、第2弾『仮面ライダーパラドクスwithポッピー』が2月17日から、第3弾『仮面ライダーゲンムVSレーザー』が3月3日から、それぞれ2週間の限定上映が行なわれる。そしてBlu-ray/DVDは3月28日(第1弾)、4月11日(第2弾)、4月25日(第3弾)の発売となる。