特撮テレビドラマ『仮面ライダーエグゼイド』のスピンオフVシネマ3部作『仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザー・エンディング』の第2弾『仮面ライダーパラドクスwithポッピー』が、2週間限定で2月17日から新宿バルト9ほかで限定上映が行われる。

  • 上段左から、鈴村展弘監督、柳ゆり菜、貴水博之、黒崎レイナ、町井祥真、下段左から、小野塚勇人、岩永徹也、松本享恭、瀬戸利樹、松田るか、甲斐翔真

3部作の第1弾となる『仮面ライダーブレイブ&スナイプ』は、仮面ライダーブレイブ/鏡飛彩と仮面ライダースナイプ/花家大我をメインに描いた物語として3日から公開され、ぴあ映画初日満足度ランキングで1位を獲得するなど高評価を受けた。続く第2弾『仮面ライダーパラドクスwithポッピー』ではどんな物語が繰り広げられるのか、大いに気になるところ。本稿では、1月30日に異例の形式で行われた3部作連続舞台あいさつの模様を振り返る。

『仮面ライダーエグゼイド』は2016年10月から2017年8月まで、全国テレビ朝日系でテレビシリーズ全45話を放送。さらに、真の結末としてテレビ最終回の放送前、劇場版『仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング』が2017年8月に公開された。今回のVシネマは、この劇場版から2年後という時間軸で、『エグゼイド』で活躍した登場人物の"その後"の物語が描かれる。完成披露とともに行われた舞台あいさつでは、3作すべての演出を手がけた鈴村展弘監督と、それぞれの作品のメインキャストによるトークショーが行なわれた。

『仮面ライダーブレイブ&スナイプ』は、仮面ライダーブレイブ/鏡飛彩と仮面ライダースナイプ/花家大我をメインに置いた物語。飛彩は、かつて消滅したはずの恋人・小姫と再会する。しかし彼女は、復活したラヴリカバグスター/天ヶ崎恋によって心を操られていた。一方、大我の病院で助手を務める西馬ニコを慕ってやってきたアメリカ人青年ルーク・キッドマンが、ラヴリカのゲーム病を発症。"最悪の恋愛ゲーム"の前に、飛彩と大我の運命が翻弄される。そこに暗躍する、檀黎斗の目的とは……。

トークショーは、当該作のメインキャストが舞台に立つあいだは他のキャストたちが客席で見守る入れ替え方式で実施。仮面ライダーブレイブ/鏡飛彩役の瀬戸利樹は、第2・3弾の出演者たちの視線を感じて、いつもと違う緊張感を抱きつつトークを開始した。劇中では、小姫をめぐるラヴリカ/天ヶ崎との三角関係のような展開となっているが、これについて瀬戸は「劇中で、僕よりラヴリカばっかり小姫に触っているんですよ。決して僕が触りたかったと言っているわけではですけれど(笑)、ちょっと悔しかった」と、プライベートで客席に座っていたラヴリカ役の小手伸也に対して、ジェラシーを抱くそぶりを見せた。

ファンの熱い視線に応える形で「もし次回作があったら?」という質問に瀬戸は「今度は院長になって、アロハの人(貴利矢)とか、永夢とか大我とかを従えて物語をやってみたい」と、"鏡飛彩院長の総回診"シーンを夢想し、大いなる拍手に包まれた。最後は「3部作の1本目ということで、たくさんの人に見てもらって『次が楽しみだ』と思ってもらいたい。次の第2弾につなぐことができればうれしく思います」と、3部作トップバッターとして多くのファンたちに楽しんでもらいたい気持ちを伝えた。

仮面ライダースナイプ/花家大我役の松本享恭は、「最終回から2年後ということは、特に意識はしなかった。しかし、体が蝕まれていく感じを出そうと、ゼイゼイと荒い息遣いをしていたら、酸欠で倒れてしまった」と、真剣に思いを込めた演技面での苦労を明かしていた。今や名コンビとなったニコ役・黒崎との芝居については「最後に重要なシーンがあるんですけれど、あえて事前に話し合ったりせず、そのぎこちなさがいいんじゃないか、ということになりました」と、大我のキャラクターを完全に自分のものにしている自信のほどをうかがわせた。作品全体については「ルークが来てからの病室のシーンなど、重たいドラマが多く、心に刺さった」と、シリアスなドラマ部分を振り返っていた。

西馬ニコを演じる黒崎レイナは、「Vシネマでは21歳になった設定なんですけど、そんなに変わっていないですね」と、実年齢より上の役柄となってもそれほど変化をつけなかったと笑顔で話した。しかし鈴村監督からは「台本にあるセリフの語尾を自分で変えてみたり、大人っぽく見せるように考えてたよね。衣裳も少し大人っぽく変えたし!」と、自身の役作りを評価される場面も見られた。これを受けて黒崎は「色気を出そうとしたんですけど、ぜんぜん出ませんでしたね」と謙遜すると、客席の小野塚勇人から「ヒューッ!」とはやし立てる声がひびき、「やりづらいなあ(笑)」と苦笑する様子を見せた。もし続編があるなら? という質問には「私、大我の代わりにスナイプに変身してバグスターと戦いたかったんです」と、さらなる変身を切望していた。

第1弾の演出にあたって鈴村監督は「大人にとっての2年はそれほど変わらないと思ったので、飛彩や大我についてはそれほど変えていません。しかし永夢は研修医ではなくなっていたりするので、衣裳も含めて大人っぽくしてもらいました。レイナちゃんも同じく、大我の助手をしているときは髪を束ねているなど、2年経って大人になった姿を強調しています」と、飯島や黒崎の成長と変化についての演出意図を語った。