新客室「エアスペース」で快適さアップ
A350 XWBを正面から見ると分かるが、競合機材である787が真円なのに対し、A350 XWBは楕円形をしている。そのため、機内の壁は垂直になり、圧迫感が和らぐ。エコノミークラス席でも18インチ幅な座席のほか、ゆとりの足元スペース、また、客室の配線を床下に収めることで床がフラットなったことも、快適性を高めている。
頭上手荷物棚はスーツケースを5個収容できる広さを確保。照明には発光ダイオード(LED)を採用し、時差ぼけを軽減させる多彩なライティングが可能だ。
A350 XWBには受賞歴のある新しい客室「エアスペース(Airspace)」が搭載されているのが特長のひとつであり、このエアスペースは330neoにも導入されている。2月14日に羽田空港へ初飛来したA350-1000MSN065(製造者番号: 065)は、3機のA350-1000テスト機の内の1機であり、ビジネスクラス40席・エコノミープラス36席・エコノミークラス219席と、完全な客室を装備している。JALの仕様とは異なるが、現在JALでは「最高の飛行機」に向けて、機内仕様案を社内で公募しているという。
JALはA350 XWB導入に向け、整備中期経営推進会議A350導入分科会(CCF04)を社内で結成した。その活動の一環として、2018年1月17日創刊の「A350 Now!」を定期的に発行し、飛行機の概要や各システムなどを紹介していくという。A350-1000よりも先行して開発されたA350-900の導入は2019年度であるため、JAL社内での移行訓練などはまだ先となるが、社内でもA350 XWBを待ち望む声が大きいようだ。
一方ANAは2014年7月に、777-300ERの後継機としてボーイング777-9Xを20機、777-9Xデリバリーまでの国際線成長原資として777-300ERを6機、それぞれを確定発注している。777-9Xは座席数400~425席、航続距離7,600海里で、初号機は2020年に納入を予定している。今後、JALとANAがそれぞれ違う機材を運用することで、国際線長距離路線においてよりオリジナル性のあるサービスが提供されることになるだろう。