こう寒い日が続くと、ポカポカの夏が恋しくなるもの。「南国の島に行きたい」と思っている人も多いのでは? でも実は、東京から2時間という近場で南国気分を満喫できる島があるのだ。それが、静岡県熱海の沖合10kmに位置する離島「初島」。近年"リゾートアイランド"としてじわじわと人気を集めている同島に行ってきたので、リポートをお届けしたい。

  • 初島の港からは富士山も見える

「初島」ってどんな島?

静岡県熱海の沖に位置する「初島」は、静岡県髄一の有人島。熱海港から高速船に乗ればわずか30分で到着する"手軽さ"、そして南方からやってくる海流の影響により1年を通じて"温暖な気候"であることから、近年リゾートアイランドとして注目を集めているのだ。

  • ヤシの木が南国ムードを演出するアジアンガーデン「R-Asia」

新鮮な海の幸、自然派のアクティビティ、亜熱帯の植物、島の随所に残る伝説……と、島には見どころが満載。しかも、島内の複合リゾート施設「初島アイランドリゾート」では、昨年に高台の立地を生かしたグランピング施設がオープンし、冒険アクティビティがリニューアルするなど、新施設も続々と登場している。

  • グランピング体験ができる「アイランドキャンプエリア」

熱海港からカモメと一緒に「初島」へ

東京から車に揺られること2時間、熱海港に到着。青々とした空、広々とした海、しかも船着場近くの桜の木が、早くも花を咲かせていた。なんとも気分がいい。

  • 港から臨む熱海の街並み

  • 高速船「イルドバカンスプレミア号」

  • 熱海港では桜が開花していた

熱海港から初島へは、高速船「イルドバカンスプレミア号」に乗船する。白が映える外観と木目調で統一された船内は、リゾートクリーズにぴったりな上質な雰囲気。ちょうど取材日の2月は「船にカモメたちがやってくる時期です」と港のスタッフの方に聞いていたのだが、実際に乗船すると思わぬ光景が……。

  • 乗船した瞬間、外を見るとカモメの群れ!

  • デッキに上ると、スナックお菓子目当てのカモメたちが!

めちゃくちゃ近いし、多い! こんなに間近(頭の上に乗ってきたりする)で、こんなに数多く(無数にいる)のカモメを観たのは初めてだった。港でスナックお菓子を買っておき、手に置けば速攻でカモメが食べにやってくる。この大群カモメ、かなり迫力があるので一見の価値あり。

  • 船窓から見える景色も美しい

ついカモメに気をとられてしまうが、海から眺める熱海の景観も美しいのでお見逃しなく。乗船時間はたった30分と短く、あっという間に船は初島に到着する。

  • 船窓に面して席が配された船内

  • 窓のない部屋では、マットの上で足をのばせる

漁師たちの「丼合戦」開戦中

時期が時期ということもあり、島ももちろん寒いのだが、本土よりカラッとした気候で過ごしやすい。港から1分ほど歩くと、海鮮料理店がズラリと並ぶ通りに到着。今、初島では全17店舗でオリジナルの海鮮丼が味わえる「初島漁師の丼合戦」というイベントが開催されている。開催期間は~3月16日まで。

  • 17種の海鮮丼がそろう「初島漁師の丼合戦」

筆者が選んだのは「初島うまい丼」という、なめろう丼。島を歩いていたら地元の人たちが「なめろうがおいしい」と話していたのを盗み聞きしたので、これにした。なめろうの丼、味噌汁、漬物、島名物のところてんがセットになっている。

  • めがね丸の「初島うまい丼」

旬の魚(取材時はアジだった)のなめろうを秘伝のタレと絡めた丼は、つい先ほどまで生けすで泳いでいた魚ということもあり、鮮度が抜群。コクのある秘伝タレとの相性もよく、あっという間に完食してしまった。

  • 港からほど近い場所に、漁師の営む料理店が並んでいる

他店でも、鮮魚の刺身が山盛りの丼、金目の煮付けがのった丼、魚を生姜ネギで和えた漁師丼……など、初島ならではの味覚がつまった丼が勢ぞろいしているので、ぜひ好みの一杯を見つけて欲しい。初島丼合戦セット(税込3,410円)という、島への往復乗船券と好きな店舗で使えるミールクーポン(1,200円)がセットになったチケットを買うのがお得だ。

南国ムードたっぷりの複合施設

お腹を満たした後は、"大人のアジアンリゾート"をテーマにした複合施設「初島アイランドリゾート」へ。同施設は、リラクゼーション、アクティビティ、宿泊という大きく3つのエリアに分かれている。

  • 複合施設「初島アイランドリゾート」

見どころは、海水を含んだ地下水を沸かした海泉浴「島の湯」、芝生広場や植物園、アジアングルメの飲食施設がそろうアジアンガーデン「R-Asia」、ハンモックも完備しグランピングに最適な「アイランドキャンプエリア」、迫力のアクティビティが体験できる「自然体験施設」。

  • 施設内に入ると、最初にたどり着くのが海泉浴「島の湯」の施設

  • 広大な海を眺めながらお風呂に入れる

  • アジアンガーデン「R-Asia」は南国ムードたっぷり

  • 園内にバーもあり、お酒を注文することも可能

施設内では、広大な海を一望できたり、亜熱帯植物を眺めながら日向ぼっこできたり、美味なアジアングルメを賞味できたり……都会の喧騒をすっかり忘れさせてくれる南国ムードがたっぷり。1日では満喫しきれないほどコンテンツが充実している。

  • 「アイランドキャンプエリア」のアジアンリゾートヴィラ

  • 室内にはベッドや冷暖房設備も完備しており、実に快適

  • 「アイランドキャンプエリア」のトレーラーヴィラ

  • アメリカ製のトレーラーの中は、想像以上に広々