■ブログで気付いた自分の妄想癖

――執筆能力がどんどんアップしていきそうですね。

そうですね。あと、「僕ってこういう生活してるんだ」、「こんなこと考えてたんだ」、「こんな言葉使う人間だったんだ」など、自分自身について気付くことがあります。書くという作業は自分と対話できるので、自分自身についての発見があります。

――どんな発見がありましたか?

意外と妄想癖があるなって。妄想というか、夢想というか…夢見がちなところがあるなと(笑)

――どういうときにそう感じましたか?

気付いたらそっちの方向に話がいっちゃうですよね。現実的なこと書いてても、ふっとファンタジーの世界に入っていっちゃうんです。音楽を聴きながら書いてるっていうのもあるんですけど、あんまり現実的で生々しいものが好きじゃないのかなって。たとえば、「今ここにいて、このテーブルに座って、この人としゃべっていて、僕は今こんな気分で…」っていうことをあまり生々しく伝えたくなくて、ついトリップしてしまう。そういう感覚が自分の中にあります。

――それが稲垣さんのブログの世界観につながっているのかもしれないですね。

そうなのかもしれないです。テレビとかは、いかに生々しく伝えるか。特に『72時間ホンネテレビ』はそうでしたか、本来の自分は、ある程度ベールに包まれていたり、生々しくないものが好きなのかなと。あと、人に対する言葉を書いていると、この人に対してこういう気持ちでいたんだとか、そういうことも書くことで気付くんだなと感じています。