2人のヒロインにも注目
――『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』に戻って、作品のキャストの面では、元モーニング娘。の工藤遥さんがヒロイン・ルパンイエロー/早見初美花役を演じることも話題になりました。
そんなには意識していなかったのですが、ニュースの扱いを見てこんなに人気がある人だったんだ!というのはありました。
――対するパトレンジャーのヒロイン・パトレン3号/明神つかさを演じる奥山かずささんは、これが女優デビュー作。制作発表では凛とした存在感で、こちらも注目を集めました。スーパー戦隊シリーズ作品では、ほぼ新人として参加された役者の方が1年を通して役を演じられますが、その成長ぶりが脚本に影響していくことはあるのでしょうか。
あると思います。この人にこういうことさせたいなと思ったらそういうネタを入れることもできますし、こういう方面が得意そうだなということが見えたらじゃあやってみるかということにもなります。一方で、これは自分が書いているからではなく、一ファンとして、新人に近い役者さんたちが1年かけて様子が変わっていく様を見ることができる楽しみがあります。
――特にヒロイン愛が強いという香村さんですから、ヒロインの活躍にも注目ですね。
まだちゃんとお芝居を見たわけではないので、どうなっているかはわからないのですが、これから楽しみにしています。
――今回、快盗と警察というモチーフを使うにあたって、現実的な警察組織や社会を意識された部分はありますか。
そんなに現実世界を意識はしていないですかね。ただ快盗のほうはイマドキの若者感があるほうがいいかなと思ってはいたので、普通にスマホを使ってみたりですとか、あとは名前を若干イマドキにしました(笑)。
――スーパー戦隊では、名前はどの時点で作られるのでしょう。ストーリーがある程度固まってからですか。
「戦隊では」と一括りにはできませんが、今回の私の場合はということに限ると、ストーリーよりもこういう感じのキャラクターにしようということを決めてからですね。そこから、この子はじゃあこういう感じの名前にしようというふうに。
今後の見どころは…
――W戦隊VS悪、快盗VS警察VS犯罪者という構図が一番表面にあるのですが、それらに隠れた"裏テーマ"のようなものは今回あるのでしょうか。
『ジュウオウジャー』の時は、わりと最初から"生態系"のようなものを意識していて、「命は巡り巡ってつながっている」ということを頭において、それをテーマとつなげて作ろうとしていたのですが、今回は特にそういうことを最初に置いているわけではないですね。とにかく、違う立場や信念の人たちがぶつからざるをえないという状況を作って、そこでどう動いていくかを描くことが一番だと思っています。
――違う立場・信念の人たちの行動や思いを描くとなると、30分という時間の制限も大きな問題になりそうですね。
そうなんですよ。仮面ライダーシリーズと違って、基本的には一話につき一回はロボで倒さないといけないので、30分といっても正味はその半分くらいしかない時間の中でケリをつけるように書くというのは地味に大変ですね。
――それをクリアするために、時間短縮のポイントにしている要素はありますか。
そうですね。説明をしなければならない要素が実は多いので、その「段取り」のところをいかに省くかということですね。快盗のほうはコグレさんがとにかく「ターゲットはこいつ!」というのをもってくる。コグレさんがどうして情報を集めているかはともかくとして、コグレさんがもう情報をもってくるというところから始めることにしています。対する警察のほうは、現代警察とは違う謎の捜査力と情報収集力をもった組織で、あっという間に情報が集まるよということにしました。
――『ジュウオウジャー』で1年を通してメインで物語を描かれて、新アイテム&新キャラ登場と合わせて盛り上がりを作る作品作りの難しさを感じたところはありましたか。
目立つ大きなアイテムや新キャラクターの商品が発売されるタイミングがあるじゃないですか。そこを目掛けてお話の山がいくように見当をつけて展開を組んでいけるので、私にとってはいい目安かもしれないと思って描いていました。
――従来ですと、追加戦士の登場などストーリーの盛り上がりの山場を作っていたところもあると思うのですが、作品内で戦隊が2つあるとその作り方も変わるものなのでしょうか。
まだ脚本自体がそんなにデカい山のところにきていないのでなんとも言えないのですが、『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』は近年の展開とちょっと違うらしくて、それに合わせて盛り上げ方も変わってくるのかなという話にはなっています。
――全体の流れはあらかじめ作られるものではないんですね。スーパー戦隊っていつもそういう感じなのですか?
メインでやらせていただくのは2作目なのでそこまではわからないのですが、宇都宮プロデューサーがおっしゃるには「そんなの決めて作ったらおもしろくないじゃない」という。決めて作りたくない人なんだと思います(笑)。その時々の化学反応とかを楽しみつつ……というところでしょうか。私の個人的な趣味でいうと、その時その時のキャラクターを見ていただけたらうれしいですね。
――今後の展開の見どころを、明かせる範囲で教えていただけますしょうか。
まだこれからなので、正直そんなに考えているわけではないんです。本作は一見すると、戦隊というひと塊と、もう一つの戦隊のひと塊、そしてギャングラーというひと塊があります。これは戦隊が2つあることもあって、最初は見やすさを意識してそうしていますが、この先どうなるかはわからない……というところもポイントになってくるのではないかと思っています。
新番組『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』は、2018年2月11日より毎週日曜午前9時30分(一部地域を除く)からテレビ朝日系全国ネットで放送スタート。
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