iPhone大国の日本で「カメラフォン」は売れるのか
日本市場向けの第1弾製品となる「R11s」の価格は、5万7980円(税別)となった。だが、最近のSIMフリースマホでは「HUAWEI P10 lite」がベストセラーになっているように、数が出るのは2〜3万円の端末である。
まずはOPPOの顔となる上位モデルを出しつつ、次にどのタイミングでボリュームゾーンとなる価格帯に端末を投入してくるかが注目ポイントだ。
だが、アジアで自撮りを楽しむ若者を中心に支持を得てきたOPPOにとって、日本市場は大きく勝手が違うはずだ。それは日本の絶大なiPhone人気だ。特にiPhone 7やSEはサブブランドやMVNOを含めて安く使う手段が充実している。OPPOが割り込む余地はあるのだろうか。
たしかにOPPOの端末は、AndroidベースでありながらiPhoneを強く意識したカスタムOSを採用しており、iPhoneユーザーが直観的に使えるという特徴がある。iPhone Xほど厳密なものではないが、顔認証にも対応する。ただ、こうした工夫も一歩間違えば模倣と受け取られ、日本のユーザーには逆効果かもしれない。
強みになりそうなのは、2000万画素のインカメラとソフトウェアによる美顔効果「AIビューティー」を組み合わせた自撮り性能だ。実機で試したところ、たしかに同一条件ならば、iPhone Xよりも明るく撮れることが多い。
こうした機能はインスタグラムなどに写真を投稿する若者向けと思われがちだが、より広い世代に拡大する可能性もある。たとえばAIビューティでは、肌のしわを目立たなくすることで自然な若返り効果を得られるため、自分を若々しく見せたい高めの年齢層も関心を持ちそうだ。
このように日本市場では、これまでOPPOが得意としてきた若者だけでなく、これからスマホで自撮りデビューするような大人世代に魅力を伝えられるかどうかが成功の鍵になるかもしれない。