『NEWS ZERO』は「生活の中で一番緊張」

――セカンドキャリアについてもお聞かせください。発売した著書『笑顔の習慣34: 仕事と趣味と僕と野球』の中で、山本さんが野球解説者を務めるニュース番組『NEWS ZERO』の話題が出てきます。改めて『NEWS ZERO』がご自身にとってどういう存在なのか、お聞かせください。

『NEWS ZERO』に出演しているから、野球解説者としてスキルアップできている部分があると思います。そのためか、何回出演しても緊張します。自分の生活の中で一番緊張してますね。

『笑顔の習慣34: 仕事と趣味と僕と野球』(内外出版社 1400円税別)

『笑顔の習慣34: 仕事と趣味と僕と野球』

――『NEWS ZERO』で解説をするうえで、意識している点はありますか。

まずやっぱり、一番気を付けているのは分かりやすく伝えたいということですね。専門用語で伝えるのではなく、聞いている方が分かるような解説を心がけています。それと「こう思います」とか、私自身の言葉で話すようにしています。他の仕事がないときは日本テレビのスポーツ部に行ってみんなで試合を見て、「ここがポイントだよ」とか「こう思う」とか、そういう会話には参加していますね。

――『NEWS ZERO』以外でも山本さんは解説を務めることもありますし、バラエティ番組などへの出演も多いですよね。メディアで発言をするうえで、気を付けていることはありますか。

私はフィールドに立っている選手の先輩なんだから、年上なんだから、という言い方はしないようにしています。具体的には選手を呼び捨てにするのではなく、選手・コーチ・監督といった呼び名をなんか付けて発言しますね。たまにドラゴンズの番組などでは、後輩を名字だけで呼ぶこともありますが、他球団の選手に関してはないですね。

後輩を呼び捨てしない理由

――なるほど、後輩の選手にも呼び捨てで発言することはないんですね。

彼らがいるからこそ、自分が解説という仕事をやらせてもらっている思いもありますからね。

――今回発売された著書の中では、「引退後、新たな発見が次々と出てきて、野球がまた面白くなってきた」とも書かれていました。

本当に今でも発見はありますよ。現場にいる時よりも、いろんな方向から野球を見るようになりましたね。選手時代は自分がどう調子を上げようとか、あの投手は調子良いな悪いなだけだったのが、どういうタイミングで交代するのかとか、どういう展開になったらサインが出るのかなど、色んなことを見ながら勉強させていただいていますね。

  • 『笑顔の習慣34: 仕事と趣味と僕と野球』(内外出版社 1400円税別)

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    元中日ドラゴンズ投手で、全日本選手権4位入賞経験を持つラジコンなど、多彩な趣味を持つ人物としても知られる山本昌氏(野球解説者)が、充実したセカンドキャリアを送るために自身が実践する「笑顔の習慣」を34のエピソードとともに綴るセカンドキャリアエッセイ集。現在、プロ野球解説者としてメディアから引っ張りだこの山本昌氏。ところが50歳での現役引退後に始まったセカンドキャリアは「不安だらけの立ち上がり」だったと振り返る。山本氏はその不安をトレードマークの「笑顔」で克服。現役時代同様、仕事や趣味に悪戦苦闘しながら一瞬一瞬を楽しみ抜くことが、生来のマイナス思考から抜け出す原動力になったと語る。本書では、本業の野球や趣味のラジコン・昆虫採集・三国志など、「仕事」と「趣味」に対する山本氏独自の視点が網羅されるほか、故・星野仙一監督とのエピソードも紹介。趣味の達人として知られる球界の“レジェンド”が、定年退職後の時間の使い方、転職による環境の変化など、人生の転機に不安を抱える読者に「楽しいセカンドキャリア」を実現するためのコツを指南する。