天守へ向かう道には話題のパワスポ
本町通りの先、天守閣へ向かう道には話題のパワースポットも待っている。本町通りの先、正面に見えるのは尾張五社のひとつに数えられる「針綱神社」だ。犬山の春の風物詩、針綱神社の御例祭である犬山祭の絢爛豪華な車山は、ユネスコ無形文化遺産に登録されている。
その隣には、「倍返し」で話題となった人気テレビドラマ「半沢直樹」の放映を機に、"倍返し神社"の異名をとった「三光稲荷神社」がある。これは、境内に御神水でお金を洗うと何倍にもなって返ってくると信じられている「銭洗稲荷神社」があるためだが、それ以外にもかわいいハートの絵馬で女性に大人気の「姫亀神社」、みちひらきの猿田彦大神を祀る「猿田彦神社」があり、パワースポットとして名高い。
犬山城への登城は登城道からの道、針綱神社を通る道、三光稲荷神社を通る道がある。犬山城は地下1.2階は穴倉、地上4階の望楼には廻縁があり、城下や木曽川など、四方の眺望が楽しめる。
2つの国宝を眺めつつダイナミックな温泉を
一方、木曽川南側に下りていくと、標高80mの絶壁に建つ城の姿を見ることができる。犬山城から約900m、その絶景を眺めるビュースポットにもなっているのが「名鉄犬山ホテル」だ。ここには地下1,200mから湧き出す温泉「白帝の湯」のほか、ホテル敷地に国宝茶室を有す日本庭園「有楽苑」もある。
木曽川に面して建つホテルは、夏には鵜飼い船も行き交う木曽川を眺めるリバーサイド客室も備え、朝夕の城散策や夜のライトアップも満喫できる。温泉は大浴場、露天風呂とも美しい庭園を眺められ、食事は日本料理や本格欧風料理のほか、バイキングレストランや軽食や和洋スイーツを楽しめるコーヒーショップから選べる。
宿泊客には「有楽苑」の割引券が用意されており、割安で利用できる。有楽苑は建物だけでなく自然も豊か。美しい日本庭園と伝統的な日本建築の美が、四季折々に異なる姿を見せてくれる。「如庵」は茶の湯の創世期に尾張の国が生んだ大茶匠・織田有楽斎が建てた茶室であり、昭和11(1936)年には国宝に指定された。内部は月に一度、呈茶付きで特別公開されている。
ただ街歩きを楽しむだけでも、宿泊してゆったりとした時間を味わうのも、どちらでも犬山ならではの遊び方ができるだろう。せっかくならぜひ、インスタ映えを狙いながら旅時間を楽しんでもらえればと思う。
※価格は全て税込
筆者プロフィール: 水津陽子
フォーティR&C代表、経営コンサルタント。地域資源を生かした観光や地域ブランドづくり、地域活性化・まちづくりに関する講演、企画コンサルティング、調査研究、執筆等を行っている。著書に『日本人がだけが知らないニッポンの観光地』(日経BP社)等がある。