「100年に一度の大変革の時代」を迎えているといわれる自動車業界。クルマの電動化や自動化などが進み、ビジネスモデルの転換を迫られる関係会社も増えていきそうな情勢だが、自動車に不可欠なタイヤの業界では、この動きをどう捉えているのだろうか。米グッドイヤーの日本法人である日本グッドイヤーで聞いてきた。
変化はチャンス、日本グッドイヤー社長の考え
グッドイヤーはブリヂストンおよびミシュランと並ぶタイヤ“ビッグスリー”の一角だが、日本市場での存在感は欧米に比べそこまで大きくない。そのポジションを日本でも「本来あるべき場所に」(日本グッドイヤー代表取締役社長の金原雄次郎氏)引き上げるべく、同社が注力するのがプレミアムセグメント向け商品の拡充だ。2月1日には2種類の新商品を投入するが、それに先立ち、日本グッドイヤーは新しいタイヤの乗り比べ試乗会を実施。その会場で金原社長らに話を聞くことができた。
変革期を迎える自動車業界のトレンドは、ダイムラーが「CASE」という言葉で表現している。「C」はConnected(つながるクルマ)、「A」はAutonomous(自動運転)、「S」はShared&Services(カーシェアリング)、「E」はElectric(電動化)の頭文字だ。これらの要素は、人とクルマの関係性を根本から変える可能性があるし、クルマの姿かたちや機能にも当然、大きな影響を及ぼす。
CASEが自動車業界に100年に一度の変革をもたらしているが、タイヤメーカーはどうなのか。この動きはピンチなのか、チャンスなのか。この問いに対し金原社長は「100年に一度ということは、自動車が世に出て120~130年なので、最初の変革期と言えるかもしれない。タイヤもご他聞にもれず、この100年でビジネスモデルは全く変わっていないし、ラジアルタイヤが登場したくらいで、それ以上の大きなエポックは今のところない」とした上で、この状況が「ピンチかチャンスかというと、チャンスだ」と明言した。