本当の兄弟のように
――The DIE is CASTのボーカル・逢坂翔平役の崎山つばささんとは、作中ではライバルですが、実際はいかがですか?
もう、つばさくんとはずっと一緒ですね。ミュージカル『刀剣乱舞』からなので、かれこれ3年位の付き合いになります。だからやっぱり、落ち着く感じはあります。役者として尊敬してるところもたくさんありますし。2人のシーンは安心して、考えすぎることなく、感じるままにできたと思います。
――佐藤さんが演じる始の兄・片山亮との関係も作品の軸になると思いますが、亮役の染谷俊之さんとのシーンで印象深かったものはありましたか?
全編通して大体怒られているシーンばっかりだったので、役としてはしんどいシーンが多かったです。ミュージカル「テニスの王子様」で1回ご一緒させてもらっていたのですが、その頃からお兄ちゃんみたいな人だと思っていたし、染谷君も「弟みたいだ」と言ってくれていたので、兄弟感は出てるんじゃないかと思います。
――元々兄弟っぽいところが、今回でさらに深まったのでしょうか?
そうですね、本当の兄弟役になりましたから。
キャラがいないことに助かる部分も難しさも
――漫画原作のミュージカルに出られている佐藤さんですが、今回はオリジナルドラマから漫画や舞台に広がる展開で、普段と違う部分はありますか?
2.5次元をやらせていただくことがすごく多いのですが、2.5次元は原作に忠実にやることが大事で、ルールやマナーみたいなものがあるのだと思っています。でも今回に関しては原作がなくて、自分の思うようにやるお芝居だったので、助かる部分もあれば、難しいなと思う部分もありました。全て1から作り上げることで助かる部分もあるし、「キャラクターがいれば、ここは迷わずに演じられた」と思う部分もあったり。
――悩んだのはどういう所ですか?
ボーカルなのでメンバーの中心にいなきゃいけないとか、行動力のあるキャラクターなので、リーダー感が出るといいなと思いながら演じました。だいぶ熱く演じさせてもらったと思います。
――2.5次元という言葉が出てきていましたが、周囲でも「2.5次元の人気はすごいね」と聞くことが多く、俳優さんとしてはどういう風に捉えられているのでしょうか?
人気、すごいですよね。2.5次元の強みはやっぱり、原作との二人三脚なんです。キャラクターの持ってる人気と、自分が培ってきた経験を組み合わせることによって、2人分、いやそれ以上の力が出せる。それによって、知名度も単純に2人分になりますし、キャラクターに助けてもらいながら、やらせてもらえているのは大きいです。
――キャラクターが仲間みたいな感じなんですね。
キャラクターがいないと実現しない事もたくさんあるので、助けてもらいながら、という感覚です。
――一方で佐藤さんは映像の主演も続かれていますが、今回演じていて楽しかったシーンや、ここはぜひ見てほしいというシーンはどんなところですか?
すごく笑えるシーンがたくさんあるので、見ていただければ。どうしても笑っちゃってNGを出しちゃったシーンとかもあるし、本番で急に出た役者のアドリブが面白かったというシーンもあって、かなり笑っていただける作品に仕上がってるとは思います。でも、落としどころはちゃんとあり、グッとくるシーンもたくさんあるので、そういうところも見てほしいですね。
話ごとにゲストの方もいらっしゃるんですけど、まあ、強烈です。個性的な方達が勢ぞろいしているので、楽しみにしていただけたらと思います。
――この1カ月の撮影を通して、「こんな日々だったな」と振り返るとしたらどういう日々でしたか?
大体みんなで、ゲラゲラ笑う日々でした。結構、挫折がある作品もあるんですけど、今回はスタッフさんも含め、みんなで和気藹々とやらせてもらえたので、本当に、すごく楽しかったです。
――その楽しそうな雰囲気が画面にも。
めちゃめちゃ、にじみ出ると思いますね。
――最後に、読者にメッセージをいただけたら。
ここまで読んでいただきましてありがとうございます。みなさんにすごく愛してもらえる作品だと思うので、2.5次元の若手俳優が出てるからといっても偏見は持たずに、1つのドラマとして見ていただければ嬉しいです。
■プロフィール
佐藤流司(さとう・りゅうじ)
2011年、『仮面ライダーフォーゼ』で俳優デビュー。2013年に『ミュージカル忍たま乱太郎』シリーズで舞台に立ち、以来、ミュージカル「テニスの王子様」(14)、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」シリーズ(15~)、學蘭歌劇『帝一の國』シリーズ(15~)、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ(15~)など数々の人気舞台のメインキャストとして名を連ねる。2017年にはドラマ『ファイブ』、映画『Please Please Please』など映像作品でも主演に。また2018年1月1日にアーティスト「Ryuji」として結成したバンドプロジェクト「The Brow Beat」の1stアルバム『ラグナロク』を発表するなど、多岐にわたり活躍する。