そして、もしA11 Bionicを搭載するなら、生体認証をどうするのか、に関心が向く。

  • 次のiPhone SEに搭載されるのはA11 Bionic?

iPhone Xではホームボタンを廃止した全画面デザインと「ノッチ」と呼ばれる画面上部の切り欠きにTrueDepthカメラを搭載し、Face IDを実現した。この切り欠き部分をiPhone SEと重ねてみると、小さな4インチボディであっても、問題なく搭載できそうなことが分かる。

つまり、iPhone 5から続く4インチボディをそのままにしても、ホームボタンを排除してディスプレイを拡大させ、TrueDepthカメラを搭載するデザインは実現できそうだ、ということだ。

廉価版のiPhoneに価格の高い有機ELディスプレイは採用することは難しく、その特性を生かしたフチいっぱいまでディスプレイを配置することは期待しにくい。ただ、液晶ディスプレイであっても、外縁を極力小さくしたiPhone SEの実現は不可能ではない。

2017年モデルのiPhone 8シリーズよりも先進的なモデルとなり得るが、前述の通り、2年間継続するモデルとするなら、そしてiPhone全体がiPhone Xのデザイン要素へとシフトしていくのであれば、2017年モデルのiPhoneをiPhone Xに近い仕様へと引き上げることにも納得できる。

その上で、2018年9月のiPhone刷新の際、現在のiPhone Xに加え、大画面化したモデルを投入し、2018年モデルは全て、iPhone Xと同じようにホームボタンなし、Face IDによる生体認証という仕様に変化していくことが期待される。

(続く)

松村太郎(まつむらたろう)
1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura