SUVクーペの印象を変える存在に?
外観は三菱らしいアグレッシブな雰囲気と、現代的なスタイリッシュなイメージを併せ持っていて、なかなか存在感がある。実のところ、日本では軒並みSUVクーペが苦戦気味で、そんな状況を鑑みて海外展開している「CX-4」の国内導入を見送ったマツダのような例もあるが、エクリプス クロスのスタイリングは、日本人にもすんなり受け入れられそうな気がする。ボディカラーも、このところ赤の表現力は各社の腕の見せどころとなっているが、多コートを重ね塗りしたという三菱の新色「レッドダイヤモンド」も印象深い。
パワートレインはガソリン1.5リッター直噴ターボエンジンと8速スポーツモード付きCVT(無段変速機)という組み合わせのみとなり、2WD(FF)と4WDが選べる。アウトランダーにあるプラグインハイブリッド(PHEV)の検討もあったようだが、現時点では見送られている。
エンジンは今後、三菱の主力エンジンとなることを念頭に数々の技術を盛り込んだ、全くの新開発品となる。三菱というと、かねてからターボエンジンには定評があるが、この新しいエンジンも1,800rpmという低い回転域から4,500rpmまでの幅広い回転域で250Nmの最大トルクを発生しており、1.5リッターというイメージから想像するよりもずっと力強い。CVTはアウトランダーやRVRと基本は同じものだが、ATのようにステップアップ変速を行い、低回転域でエンジン回転数が不要に変化しないようにするなど、ATに対して遜色ないドライバビリティを追求している点が新しい。
気持ちよいドライブを実現すべく盛り込んだ思想
ハンドリング面の特徴として挙げられるのが「S-AWC」だ。「AWC」は「All Wheel Control」を意味する。これは具体的なデバイスというよりも、各輪のブレーキ、フロントデファレンシャルの差動制限、パワーステアリングなどを最適に制御することで、4輪の駆動力と制動力を高度に統合制御するというシステム、ひいては“思想”とご理解いただけばよい。
これにより、ドライバーの操作に忠実な車両挙動を実現し、安心して気持ちよくドライブできることを目的としている。走行モードは「AUTO」、滑りやすい路面に適した「SNOW」、走破性を高めた「GRAVEL」の3つから選べる。