また、aiboは言葉も認識します。「My aibo」という専用アプリで名前をつけ、呼びかけることができるのです。
たとえば「アイボ、お手!」と言うと、aiboは手を差し出してくれます。他にも「ハイタッチ」や「マーキング」(おしっこをするポーズ)、「走る」など様々な動きをさせることができます。
ユニークなのは、必ずしも最初から言うことをぜんぶ聞いてくれるわけではない、ということです。今回、実際に「アイボ、お手!」をやってみたのですが、aiboはそっぽを向いたまま相手にしてくれませんでした。
もしかして声が聞こえてなくて認識されていない? と思いましたが、こちらが話しかけたときにaiboは「ワン!」と元気よく吠えており、このリアクションがあるということは「聞こえてはいる」のだそうです。
つまり、「お手」という命令は聞こえてはいたものの、何らかの理由でやってくれなかったというわけです。筆者が初めて会う相手だったからか、それともたまたまご機嫌斜めのときだったのか。aiboのこうした動きの理由はスタッフの方も「よくわからない」とのことで、真相は謎のまま……。
でも、考えてみれば、リアルにペットを飼うってこういうことですよね。最初から素直にハイハイ言うことを聞いてくれるペットなんてそうはいません。初対面なら警戒されて当然です。何もかもが思い通りにいくわけではないからこそ、日々のコミュニケーションが重要になってくるということなのでしょう。
ちなみにaiboは鼻先のカメラで目の前の人を顔認識しているとのこと。誰がよく遊んでくれるのかも学習し、それぞれでリアクションが変わってくるといいます。いつも遊んでいる子どもにはなつくけど、お父さんにはそっけない態度をとる……なんてことになる可能性もあるわけです。こういう細かいところもいちいちリアルです。
この他にもaiboには教えた動きを覚えてダンスする、尻尾のカメラで空間を認識し、自分がいる環境を把握するなど多彩な機能があり、とても体験会ですべてを試すことはできませんでした。……というよりも「お手」だけでかなり苦戦しました。
ちなみに、aiboの稼働時間は約2時間程度とのこと。疲れたaiboは自ら充電パッドへ戻って休むそうです。
体験会でしばしaiboとふれあってみて、この「一筋縄ではいかない感じ」こそが最大の魅力だと感じました。家電ならこちらの命令通りに動いてくれないと困りますが、aiboは家電ではなくて家族の一員です。コミュニケーションを重ねることで少しずつ心を通じあわせ、それによりaiboが成長していくのを見るのは本当に楽しいだろうなと思いました。