社会派ドラマ『Mother』『Woman』のスタッフが再結集し、坂元裕二オリジナル脚本の第3弾として、日本テレビ系ドラマ『anone(あのね)』(毎週水曜22:00~、初回10分拡大)が、きょう10日にスタート。主演に広瀬すずを迎え、共演には『Mother』『Woman』にも出演した坂元ドラマ常連の田中裕子をはじめ、小林聡美、阿部サダヲ、瑛太など実力派俳優陣が脇を固める。

このほど、東京・汐留の日本テレビで、第1話のマスコミ向け試写会が行われ、同席した次屋尚プロデューサーが、広瀬の起用理由や撮影現場の様子、そして今後の世界展開などについて語った。

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    新ドラマ『anone』主演の広瀬すず=きょう10日放送の第1話より

最初は不安で緊張気味だった広瀬

『Mother』は母性、『Woman』は貧困をテーマに、重く苦しい内容を描きつつも、家族愛を伝えたメッセージが熱い支持を得た。5年の時を経て投じられるシリーズ第3弾の『anone』は、家族を失い社会からもはぐれしまい、生きる方法さえ見失ってしまった広瀬演じる少女・辻沢ハリカが"ニセモノ"にまつわる事件、事柄から真実の人間愛を見つける人生という冒険が描かれる。「私を守ってくれたのは、ニセモノだけだった。」というキャッチコピーがそれを物語る。

次屋プロデューサーは、広瀬の起用理由について、「『Mother』は松雪泰子、『Woman』は満島ひかりと、ヒロインの年代を下げていく中で、今回は10代を主役にしようと坂元裕二さんと意見が一致し、その流れの中で広瀬すずさんを起用した経緯があります」と説明。「広瀬さん自身はインタビューの中で『坂元裕二作品の主人公に抜てきされるとは思いもよらなかった』と話していますね。これまでの作品で青春ものや恋愛ものなど、彼女を中心とした年代が多く集まる中でヒロインを演じるイメージが強いと思いますが、今回はそれとは異なるもの。10代最後の作品として、坂元裕二作品では最年少主役を演じます」と話す。

現場での広瀬の様子についても語り、「最初はかなり気負っていました。作品の中心人物に自分がなれるかどうか、不安で緊張気味な様子もありましたが、『そのままの広瀬すずでいい。10代最後だから、あなたが持っているすべての魅力を出し切ってほしい』と伝えていくと、徐々に慣れていき、大御所の俳優陣に囲まれながら、台本を繰り返し読み込み、一生懸命頑張ってくれています。余談ですが、第1話で登場するネットカフェの猫を気に入って、今では広瀬さんの家族になっていますよ」と明かした。

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小林聡美&阿部サダヲの掛け合いも必見

また、これまでのシリーズ作品と同様にヒロインと深く関わり合う役どころに田中裕子を据えており、広瀬と田中の組み合わせも見どころの1つにある。さらに、エッセンスを加える立ち位置にある小林聡美と阿部サダヲの2人の息の合うコミカルな掛け合いも必見だ。ストーリーの進展とともに明かされる瑛太演じる謎の男の存在も気になる。

次屋氏は「連続ドラマに滅多に出演しない小林聡美さんは坂元脚本、水田伸生監督作品ということで無条件で承諾してくれました。阿部サダヲさんとのシーンはリリーフ的な役割で、全体的に重くなりすぎるところを緩和してくれます。坂元さんも2人の役割に気をつかって書いていますので、表情の変化やセリフの言い回しなども今後の見どころになっていくでしょう」と予告した。

(C)NTV