Ryzen APUは、Ryzen Mobileと構成が同じだが、AM4パッケージを採用したデスクトップPC向けという位置付けとなる。いまのところ、Ryzen 5 2400GとRyzen 3 2200Gの2製品をラインナップする。出荷開始は2月12日で、価格はRyzen 5 2400Gが169ドル、Ryzen 3 2200Gが99ドルと設定されている(Phtoo13)。

  • 主要スペック

    主要スペック。詳細はこれも発売日の近くに明らかにされるだろう

こちらも圧倒的なGPU処理能力が特徴(Photo14,15)とされ、性能比較(Photo16~21)も示された。なお、Ryzen APUの場合、メモリを高速化すると、GPUのOverclockでかなり性能が上がることも明らとなった(Photo22)。

  • GeForce GT 1030相当

    ほぼNVIDIAのGeForce GT 1030相当であるとする

  • パッケージも少し変更

    パッケージも少し変更がある。2TFlopsの演算性能、というのが売り文句になっている

  • 主要なCPU性能

    主要なCPU性能。ほぼモデルナンバーに近い性能比率となっている

  • 価格順での性能

    Intelの製品も含めての価格順での性能。もっともCineBenchでいいのか? という気もするが

  • CPU/GPUとしての性能

    CPU/GPUとしての性能。SpecViewperfでは大きな伸びを見せるが、ただ絶対値ではそれほど高くない気がする

  • HD Gamingでのパフォーマンス

    HD Gamingでのパフォーマンス。とりあえずSkyrimには十分なパフォーマンス

  • Ryzen 3 2200Gだと若干性能が落ちる

    Ryzen 3 2200Gだと若干性能が落ちるが、それでもまだそれなりのところを維持している

  • 高クロックメモリで性能向上

    DDR4-3200でもそれなりに高速化できるが、DDR4-3600まで引き上げることでノーマル状態から40%近く3DMark Firestrikeの性能が向上する

また、Ryzen APUとは直接は関係ないが、HDDやSATA SSDに例えばNVMe SSDを組み合わせることで高速化を行えるFuzeDriveを、AMDのRyzenプラットフォームでは無償で利用できる様になる(Photo22)。また新たにWraith Prismというクーラーも追加される(Photo23)。

  • 要するにキャッシュ的に使えるという話

    要するにキャッシュ的に使えるという話なのだが、純粋なキャッシュではないらしい。またファイルシステムではなくブロックレベルでの動作になるという

  • Wraith Prismというクーラーも追加

    Mini-ITXなどCPUソケット周りがタイトなシステム向けに大きさをぎりぎりまで狭めるとともに、RGB LEDを更に追加したとか。あとファンの羽が透明なので、光の渦が表現できるとか言っていたが、その機能要るのか?

なお、ちなみにこのタイミングで、メインストリーム向けのRyzen CPUの価格改定も予定し、より手に入りやすい価格になる(Photo24)。

  • 従来のRyzenシリーズが値下げ

    もっともこれはRyzen 2000シリーズの投入に向け、前世代製品の在庫処分という見方もできなくはないが

ロードマップ - 12nmで第2世代Ryzenを展開

さて、今回AMDが発表した中で、最も興味深いのがロードマップである。PCテクノロジートレンドにも書いたが、2017年月に開催されたGTC(Globalfoundries Technology Conference)にて、AMD CTOのMark Papermaster氏がで、12LPを利用したクライアントとグラフィック製品を投入することを明らかにしていた。これを踏まえたうえで、改めてロードマップを開設したい。

CPUについて、AMDは2018年第2四半期に第2世代のRyzen、後半には第2世代のRyzen PROとRyzen Threadripperを投入する(Photo25)。第2世代Ryzenは、2000番台のモデルナンバーを採用し、1000番台の製品を置き換える(Photo26)。

  • 想定内

    これはまぁ想定範囲内

  • 想定内

    これも想定の範囲内

この第2世代Ryzenは、Globalfoundriesの12nm LPを利用して製造する。ただし、いまのところ分かっているのはこれだけで、Ryzen MobileというかRaven Ridgeで実装したPrecision Boost 2以外でどんな機能が搭載されるか、あるいはプロセッサ自身にどんな改善が行われるかはっきりしていない。

  • 高速化しつつ消費電力削減

    より高速化され、しかも消費電力を低減したとしている

プラットフォームAM4のままで、Bristol Ridgeからこの第2世代RyzenやRaven Ridgeなどがサポートされる(Photo28)が、新チップセットとして、AMD X470がやはり4月に投入される(Photo29)。

  • ThreadRipperについては後日公開

    ThreadRipperの方は? と確認したところ、詳細の公開はもう少し後でとのことで確認できなかった

  • 何をどうOptimizeしたのか

    何をどうOptimizeしたのかはいまのところ未公開

これに続く話として、7nm世代のプロセスで製造するZen 2については、すでにDesign Completeとしており、Tapeoutしているそうだ。現在は引き続きZen 3に掛かっているという(Photo30)。

  • 時期的にはおかしくないスケジュール

    時期的にはおかしくないスケジュールである

予想外だったのはGPU側だ。12nmではな、7nmにジャンプすることが明らかとなった(Photo31)。この7nm世代のVegaとして、MLやHPCに向けたRadeon Instinctが最初に投入される。2018年中にもサンプル出荷が開始される。

  • 12nmのGPU製品はまだいえない

    Papermaster氏に"12nmのGPU製品は?"と確認したところ、「まだ言えないが時期が来たら公開する」という返事で、どうもVegaとは別の製品ラインがあるのかもしれない

これに引き続き、同じ7nmを使うNaviと、さらにその先に次世代製品が予定されている。この次世代製品を誰が指揮しているのかPapermaster氏に確認したところ、いまは暫定でCEOのLisa Suが指揮を取っているということであった。

  • 通常のRadeon向けは時期尚早

    Radeon Instinctではなく通常のRadeon向けは? という質問には「まだ時期尚早」という返事であった