『オーズ』コンビ復活、すべての流れが運命的だった

続いて、仮面ライダーオーズ/火野映司を演じた渡部秀、そして相棒のアンクを演じた三浦涼介がステージに登場。上堀内監督を交えての『オーズ』トークが開始された。まずは、6年ぶりの「映司・アンク」コンビ復活が叶ったことについて、渡部は「今日この日までがすごく自然な流れだったというか、僕自身すごくこういう瞬間を待っていました。オーズとしてもう一度出てくれませんかと言われたときから、りょんくん(三浦)に相談するまでがあっという間でした。出演のやりとりをしてから衣裳合わせに至るまで、すごく早かったですし、すべての流れが運命的だったように思います」と、『オーズ』コンビ復活までの流れが非常にスムーズだったことを明かした。

上堀内監督は、渡部、三浦がそろって出演すると聞いたとき「マジで!?」と叫び、最初はたいそう驚いたという。三浦は「そんなに僕らが求められていたとは……」と喜びと驚きが混在したかのような表情を見せつつ、「今年30歳になったんですけれど、なったとたんにいろいろなことを考え始めました。プライベートでも仕事でも、自分の存在が"求め"てもらえることがなかなか減ってきている中で、いまだにアンクを求め、待っていてくださる人たちがいてくれる間に何かしておこうかな……と思って」と、渡部から声をかけられたときの心境について語り、ファンからの盛大な拍手を浴びた。三浦と同い年である上堀内監督も「30という年齢になると、やっぱり考えるよね。俺も考えるしね。お仕事があればどこへでも行く!」と、節目の年齢を迎えてもう一段階ステップアップしようとする男同士の共感をうかがわせた。

高橋プロデューサーからは、渡部が映司として復活するにあたり、三浦へのオファーをはじめ、内容面でもいろいろなこだわりを込めた意見を提案したことが明かされた。渡部は「やはり、りょんくんが出てくれるということが決まってから、この日(共演)をずっと待っていたんです。メダル(アンクのコアメダル)が割れてから、映司がずっと旅を続けていた、その旅の"新たなスタート"が切れるような、いい作品にしたいと思いました。りょんくんとも考えを出し合い、僕たちの中ではアイスキャンディーというのはメダル以上に大事なアイテムだと思っていたので、セリフなどにも反映してもらえたり……。あと、映司がアンクのことを回想するくだりでは、あのシーン、このシーンなど、僕が選ばせていただいたんです」と、渡部の『オーズ』およびアンクへの強い愛着とこだわりがうかがえるエピソードが披露された。

渡部にとって久々となる「仮面ライダー」映画への強い思いを感じた三浦は、「撮影開始の日がすごく楽しみだった」と答え、早朝から深夜まで長時間にわたる過酷な撮影であっても、非常に楽しく取り組むことができたという。高橋プロデューサーからは「スタッフも変化がないようで変化があって。最初、三浦さんはちょっと距離を取っていた? 端っこに座って、機嫌悪かったよね」と話題を振られると、三浦は「ええっ!? 違いますよ! 最初のほうは、やっぱり久しぶりだし、緊張していたんですよ。スタッフのみんながどういう感じで出てくるのかなって思って、距離をはかっていた部分はあったかもしれないですけれど、お昼ごはんを食べるころにはみんな仲良くしていました。よかった、みんな変わってなかったなって(笑)」と、当時のスタッフ、新しいスタッフともにすんなり打ち解けることができたと苦笑まじりに説明した。

当時『オーズ』でも助監督として苦労を共にした上堀内氏が監督を務めることについて、渡部は「カミホリさんが監督されると聞いたときから、僕らは絶大な信頼を置いていました。当時から、細かい部分をフォローしてくださいましたし、今回の出演の決め手でもありました」と、上堀内監督作品という部分も映司・アンク復活の要因であると明かしていた。

上堀内監督からは「撮影中は、僕が何か指示を出すということもなく、スムーズに進んでいました。印象的なのは、渡部秀の"なんだ、この無駄な貫録は!?"というところですね」と、現在26歳でありながら、年齢以上の落ち着きを見せる渡部のかもしだす雰囲気について感心した面持ちで語った。三浦も「当時から落ち着いていましたよ。20歳くらいのときから!」と、渡部の貫録について話すと、渡部は「『オーズ』が始まったころは19歳でしたが、あのころは落ち着いて、みんなを引っ張らなきゃという思いが強かった」と、当時を振り返りながらコメント。

上堀内監督が「イヤだなあ。可愛げがないもん」と言うと、すかさず渡部が「可愛いですよ、俺!」と頬に指を当てる可愛いポーズをとり、女性ファンが歓声をあげるひと幕も。しかし三浦が「当時と今とで、秀くんのどこが変わりましたか?という質問をよく受けるんですが、ひと言『可愛げがなくなった』ですね(笑)。当時はたくさん食べる可愛げがあったのに、今じゃ朝はあんまり食べないです。『コーヒー飲みたいな』とか言うんです!」と、上堀内監督と同調するところを見せて渡部を苦笑させていた。

最後に渡部はファンに向かって「今回の映画は僕にとって、ターニングポイントとなりました。(オーズが終了した)あの日、置いてきた"思い"をつないで、スタッフさん、そしてレジェンドライダーのみんなと一緒になって、よい作品を作ることができたと思っています。僕たちも、映画『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』をはじめとするいろいろな作品で、先輩役者さんから励ましをいただいたり、お力添えをいただいたりして、進んできた仮面ライダーです。そうして、今度は僕たちが現役のライダーたちを助けるという立場になって、みなさんに作品をお届けできることをすごく光栄に思います。何より、りょんくんがアンクとして帰ってきてくれて、『オーズ』チームとして次のステップを踏める、いい作品になったんじゃないでしょうか。またもし機会がありましたら、りょんくんの力も借りて、何かの形でみなさんの前に現れたいと思います!」と力強くコメント。ふたたび映司・アンクのコンビとして再登場する意欲を示していた。

映画『仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー』は、全国劇場にて大ヒット上映中。