4つめは「HomePodと音声インタラクション」。昨年末のリリースが予定されていたSiri対応スマートスピーカー「HomePod」とWindows Store版のiTunesが今年初めに延期されました。

残念なことですが、Appleがリリースを延期する時には結果がついてきます。2016年のAirPodsもそうでした。延期して発売されたAirPodsの使用体験は、既存のワイヤレスヘッドセットにはない使いやすさと高い完成度で、iPhone 7シリーズからオーディオジャックを取り除いたことの議論を決着させてしまいました。

「HomePod」製品版の完成度に期待

HomePodはSiriとAppleの機械学習技術の実力が問われるデバイスになります。接続するiPhoneやMacからも操作できるでしょうが、基本的にユーザーとHomePodが音声でインタラクトし、ユーザーが聞きたい音楽をApple Musicが提供します。MacのGUI、iPhoneのマルチタッチなど、ユーザーとデバイスがインタラクトする体験においてAppleは革新を積み重ねてきました。

音声とタップでインタラクトするHomePodでも、そうした素晴らしい体験を実現できるでしょうか。これまでのところ、Siriに対する専門家やユーザーの評価は決して高くはありません。

でも、体験の部分でAppleが妥協するとも思えません。Apple PencilやFace IDが登場する前にも懐疑的な声がありました。すでに改善を重ねられてきた既存のデジタルペンや顔認識技術とどれほどの違いがあるというのか、と。でも、実際にApple Pencilで描き、iPhone Xでロック解除してみて、その自然な使い心地を体験した人達によって評価が一変しました。HomePodでも、そんな感動を再び味わえると期待せずにはいられません。

  • Siriによる音声アシスタント機能を備えたスマートスピーカー「HomePod」、昨年6月のWWDCでAppleは「iPodが携帯音楽を再発明したように、HomePodはホームオーディオを再発明する」と紹介しました