寒い冬は、温かい温泉が恋しくなる季節。冬はさらに、一面の銀世界を楽しめる季節でもある。豪雪地帯として知られる北海道や東北、北陸地方の露天風呂がある温泉地へ行けば、雪見露天風呂を確実に楽しめるに違いない。しかし、中京や東京などの大都会から行く場合、長距離の道中も延々と雪景色で雪を見慣れてしまい、雪見露天風呂の有り難みも半減だ。ここでは、首都圏や中京圏方面からのアクセスも良好で、泉質も抜群の雪見露天風呂を8軒一挙に紹介しよう!
万座温泉、日本最高所の温泉街で雪見露天風呂!
「万座温泉」(群馬県嬬恋村)は標高1,800mの山中にあり、岐阜県の濁河温泉とともに日本最高所の温泉街。当然、雪も豊富でスキー場の営業期間も長いことで知られている。一般的に露天風呂は雪の影響を受けやすいので、雪が多い地方では露天風呂の整備率が低い場合も少なくないが、万座温泉は営業中の全ての旅館に露天風呂がある。
冬でも有料道路の万座ハイウェイを使用して、アクセス性も抜群。これほど雪見露天風呂を楽しみやすい条件が満たされる温泉地は珍しいが、それが本来雪が少ない関東地方にあるのだから、一層ありがたい温泉だ。
どの宿にも素晴らしい雪見露天風呂があるので、宿は好みと予算で選べば大丈夫。中でも温泉泉質で、温泉好きにオススメなのが「豊国館」。プールのように広大で深さも深い露天風呂に、熱い白濁の硫黄泉が満たされており、湯量の豊富さを実感できる。写真の露天風呂は混浴だが、他に女性専用の露天風呂もある。
●information
万座温泉「豊国館」
住所: 群馬県嬬恋村大字干俣万座温泉2401
アクセス: JR吾妻線万座・鹿沢口駅から万座温泉行きバス40分、万座高原ホテル下車徒歩1分
奥鬼怒温泉郷に送迎バスで簡単アクセス
「奥鬼怒温泉郷」(栃木県日光市)は尾瀬に近いことから、最後の林道が一般車通行止で、徒歩で行くか宿泊者向け送迎バスを利用する必要がある温泉地。普段は不便に感じるシステムだが、雪の季節には送迎が本当にありがたい。よって宿泊が前提になるが、一度は雪の時期に訪れてほしい温泉地だ。
宿泊者向けの送迎バスを運行しているのは、「加仁湯」と「八丁の湯」の2軒の秘湯。どちらも立派な宿なので、予算と好みで選べば問題ない。
中でも「加仁湯」は白濁の硫黄泉が魅力的。山奥の秘湯ながら鉄筋の立派なビルで、暖房が十分効くのもいい。余談だが、「加仁湯」と「八丁の湯」は夏なら歩いて日帰り入浴に行ける距離だが、冬の雪の降る中では歩くのは困難。送迎バスのありがたさを一層感じた。「加仁湯」では年末年始の繁忙期を除き、東武鉄道下今市駅や系列の長久温泉まで無料送迎する宿泊プランがあり、雪道の運転に自信がなくても気軽に雪見露天風呂を楽しめる。
●information
奥鬼怒温泉郷「加仁湯」
住所: 栃木県日光市川俣871
アクセス: 東武鉄道鬼怒川温泉駅から女夫渕行きバス1時間35分、終点で下車し送迎バス利用
平家平温泉、穴場の温泉で雪見露天風呂を満喫
「平家平温泉」(栃木県日光市)は奥鬼怒温泉郷の手前にある穴場の秘湯で、車で直接宿に乗り付けたい人にオススメだ。一軒宿の「御宿 こまゆみの里」には開放的な露天風呂があり、冬には雪見露天風呂を存分に楽しめる。山深い温泉地なので新緑も紅葉も素晴らしく、豊かな自然環境を実感。温泉好きなら、覚えておきたい温泉だ。
●information
平家平温泉「御宿 こまゆみの里」
住所: 栃木県日光市川俣646-1
アクセス: 東武鉄道鬼怒川温泉駅から女夫渕行きバス1時間33分、平家平温泉下車すぐ
平湯温泉、貸切もできる絶景の雪見露天風呂
「平湯温泉」(岐阜県高山市)は奥飛騨温泉郷の玄関口で、新宿からの高速バスも発着する交通の要衝だ。付近一帯は豪雪地帯で、雪見露天風呂を楽しむには最適な立地。上高地の西の玄関口でもあるので、上高地へ行けない冬はオフシーズン期間となるが、冬季割引宿泊料金になる宿も多い。
中でも「匠の宿 深山桜庵」は、大浴場の露天風呂が巨大な上に、宿泊者は無料で利用可能な貸切露天風呂も2つあり、いずれも絶景の雪景色を満喫できる。雪見露天風呂を貸し切り、本当にぜいたくな時間となるだろう。
●information
平湯温泉「匠の宿 深山桜庵」
住所: 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯229
アクセス: バスタ新宿から飛騨高山行き高速バス4時間40分・平湯温泉下車、徒歩7分。JR高山本線高山駅下車・高山濃飛バスセンターから松本行きバス1時間・平湯温泉下車、徒歩7分