――卒業アルバムを見ながらの打ち合わせは、ついつい恥ずかしいことも言い過ぎてしまい、後日スタジオでそのVTRを見ると後悔する方もいらっしゃいますよね。

卒アルって本当に不思議なモノで、僕らもやりながら気づかされていったんですけど、観ていると自然と気持ちや人間そのものまでもが当時に戻るんです。極端言うと芸能人のスイッチが切れて、自らの"源泉"である"あの頃の時代"に戻っていくので、その時の脳みそに思考回路が切り替わって、いろいろなことをしゃべっちゃうと思うんです。基本的に、この卒業アルバムを見ながらの打ち合わせは自分でやるようにしてるんですが、聞き手として気持ち良くしゃべってもらうことをとにかく意識して、質問や相づちを打つようにしています。

  • 003のalt要素

    『あいつ今何してる?豪華新春3時間SP』(テレビ朝日系、1月3日18:00~21:00)
    ゲストは、みやぞん(ANZEN漫才)、沢村一樹、安藤優子、中田喜子。知られざる原点や憧れのマドンナとの再会、大出世した同級生などが登場する。

――前田敦子さんは、初めて初恋の人を明かしたと言っていましたよね。

当たり前ですが、こちらはもちろん「今までテレビで言ったことない話を教えてほしい」とは、打ち合わせではお願いしてないんです。だから、国民的アイドルグループの絶対的センターだった人がそれを話してくれたことはとても驚きましたし、うれしかったですし、とても感謝しています(笑)。しかも、幸運なことにその初恋の人を見つけることができて、本当に喜んでくれたし、ネットでもファンの方を含めてかなり盛り上がって、話題になる放送回にすることができました。

――取材を受ける同級生は、皆さんウエルカムなんですか?

決してそうでないこともあります。でも大事になるのは、「あの人のためなら」っていう気持ちで、「南野陽子さんに言われたら出るよ」とか、「前田敦子さんに覚えてもらってたんだ」とか。皆さん「なんで自分なんだろう」とおっしゃる方も多いんですが、シンプルに覚えてくれててうれしいという気持ちが、取材を受ける理由の1つにはなってると思います。

雰囲気にマッチするネプチューン

――スタジオでゲストと一緒にVTRを見るのはネプチューンさんですね。

そもそも3人が仲の良いトリオなので、そのアットホームで柔らかい雰囲気が、番組のテイストにマッチして、VTRを見る空気感やリアクションが番組全体をより優しく温かく仕上げてもらっていて本当に感謝しています。

――3人ともMCというスタイルは、他の番組ではあまり見られないと思います。

実は、本番前の打ち合わせでは、ゲストとVTRの本数しか言ってなくて、内容については一切伝えてないんです。生のリアクションを大事にしている番組なので、スタジオのセットも、普通のスタジオセットは撮影しているカメラマンや制作、美術スタッフの姿や顔も出演者は見えていることが多いんですが、うちはセットを密封する形で、穴からレンズが覗いてるという方法にして、カメラに撮られているという意識を限りなく少なくしています。さらに、映画館のような大きなモニターで見てもらって、とにかくVTRに集中してもらって、ドキュメントとしてリアクションを収められる環境作りをしています。

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    『あいつ今何してる?豪華新春3時間SP』より

――小林星蘭ちゃんのナレーションも独特ですよね。

青春時代のエピソードが出発点になる番組なので、ナレーションは当時の呼び名で呼んだり、大人になって振り返ると下らなかったりするエピソードをあえてまじめに説明する必要がある中で、普通の大人のナレーターさんに読んでもらうと、何かうまくその当時のノスタルジックでピュアで爽やかな世界観を表しきれないんじゃないかと思ったんです。で、その世界観を忠実に表現できるのはやっぱりその世代の子供がピッタリだと思って、いろんな子役の方の声だけを聞いて、星蘭ちゃんに決めました。

――女の子だとあまり声変わりもしないですよね?

いや、実はかなりしています(笑)。毎回見ていただいてると気づかれないんですけど、2年前のナレーションを聞くと、2オクターブくらい高いです(笑)。そして、やっぱり天才子役だなと感じるのは、やるたびに上手になっていくことです。女優さんなので感動系のVTRの時はしっかり感情も乗せられるので、そこは毎回感心させられています。