「Snapdragon」を搭載したWindows PCが登場
2017年12月、Qualcomm製SoC「Snapdragon」を搭載したノートPCをASUSとHPが発表した。今後は他のPCメーカーも追従する可能性がある。
これまでPCのCPUといえば、インテル製がほとんどを占めていた。だがスマホで動くことを前提に作られたSnapdragonは省電力で性能が高い。さらにQualcommはLTEモデムで定評がある。SnapdragonはCPUに加えてLTEモデムも統合していることから、LTE搭載ノートPCを作るのに最適なチップといえる。
問題はアプリの互換性だ。従来型のWindowsアプリは、インテルやAMDのCPU用に作られており、Snapdragonとは互換性がない。そこで今回はSnapdragon上で従来型Windowsアプリを動かす仕組みが新たに開発された。Windows最大の資産といえるデスクトップアプリが、ある程度の速度で動くものと期待できる。
ただ、実際にはそう簡単にいかないだろう。国内PCメーカーもSnapdragonの可能性は認めつつも、「プラットフォームとして成熟するにはまだまだ時間がかかる」と見るところが多い。しかもマイクロソフトは以前に「Windows RT」で失敗した過去があることから、今回はどこまで本気なのか慎重に見極める必要がありそうだ。
このようにSnapdragon搭載のWindows PCは、当面の間は物珍しさが先行しそうだ。だが、PCを持ち運びたいというビジネスユーザーの需要は高まる一方である。2018年のPC市場を制するのは、この需要に的確に応えたメーカーになるかもしれない。