CPU:ゲーム目的ならCoffee Lake-S

最近のゲームではCPUパワーもある程度高いものが必要になる。物理コア数が多く、クロックの高いCPUが理想的だが、いま主流の6コアCPUともなれば、3万円以上の出費は確実。これでは他のパーツに回す予算がなくなってしまう。

そこで物理4コアでコスパの良いCPUを探すことになるが、ゲーム用途ではRyzenよりもCore i3の方が向いている。型落ちした「Core i3-7100」が安いが、それと大差ない値段で最新Coffee Lake-Sベースの「Core i3-8100」が手に入る。7100より物理コア数が2基増えた物理4コアCPUは、PUBGでも大活躍してくれることだろう。上位の「Core i3-8350K」は、今回は予算の関係で見送り。

  • Intel Core i3-8100

    Intel Core i3-8100。原稿執筆時価格:14971円

マザーボード:Z370の低価格モデルを狙え

Coffee Lake-S世代のCore i3-8100はこれまで使われてきたLGA1151マザーでは動かないため、Coffee Lake-Sに合わせてリリースされた「Z370」チップセット搭載マザーが必要になる。H370やB350を搭載したマザーの登場は2018年となるため、Z370で安いマザーを探した結果がコレ。

値段が安いので装飾やイルミネーション機能は最低限だが、M.2 SSDが2基装着できたり、LANがちゃんとインテル製だったり、電源のフェーズ数が12と多いなど、自作マザーで欲しいツボはしっかりと押さえられている。

  • ASRock Z370 Pro4

    ASRock Z370 Pro4。原稿執筆時価格:15526円

メモリ:PUBGやるなら16GBは最低ライン

今はメモリ価格がどんどん上がっており、自作PCにはとても辛い季節だが、PUBGで遊ぶなら16GB、つまり8GB×2枚組以外の選択肢はない。PUBGはああ見えて意外とメモリ食いなためだ。8GBでも遊べないことはないが、メモリ不足で落ちる可能性も出てくるため、絶対にメモリは減らしてはならない。

で、買うメモリの規格だが、Coffee Lake-SベースのCore i3は、DDR4-2400(PC4-19200)が好適。Core i5やi7だとDDR4-2666となり、ややお値段が上がってしまうのでちょうどよかった。

今回はAmazon購入縛りがあったためこういう選択になったが、Amazon以外ならDDR4-2400の8GB×2枚セットでも、同等かわずかに安い値段で買える製品がある。いろいろ探してみるとよいだろう。

  • シリコンパワー SP016GBLFU240B22

    シリコンパワー SP016GBLFU240B22。原稿執筆時価格:18800円

グラフィック:予算を考えるとGeForce GTX 1050 Tiが限界

PCゲームにおいてCPU以上に重要なのがグラフィックボードのチョイス。ここに限りなく予算を注ぎ込むのがゲーミングPC自作のセオリーであるが、今回のレギュレーションでは2万円以内がいいところだ。

この制約で一番ゲーミング性能が期待できるGPUは「GeForce GTX 1050 Ti」をおいて他にない。格上のGTX 1060はマイニング需要で値段が高いし、ライバルの「Radeon RX 560」ではGPUパワーが足りない。安価な「GTX 1050」だと少しパワーが物足りない……という消去法で選び出した。GeForce系ならPUBGでキルシーンを自動的に動画に残せる「Shadowplay Highlight」が使えるメリットも活かしたいところだ。

ただ、ミドルレンジの中でもエントリー帯に近いGTX 1050Tiなので、PUBGの画質は控えめにしないとフレームレートは稼げない。解像度はフルHDに固定、画質は"中"程度に抑えておきたい。

  • 玄人志向 GF-GFX1050Ti-4GB/OC/SF

    玄人志向 GF-GFX1050Ti-4GB/OC/SF。原稿執筆時価格:17013円

ストレージ:今時SSD以外はあり得ない

ストレージは500GB程度のHDDにすればもう少し安くなるが、いくら予算がなくても起動ドライブをHDDにするのは快適度の面から却下したい。起動ドライブはSSD、これが筆者の絶対のルールだ。となると容量を犠牲にするしかないが、64GB以下の容量だといろいろとつらい。PUBG自体も14GB程度消費するので、最低ラインの容量として120GBくらいは確保したい。

120GBのSSDで安いもの……と探していた時に出会ったのがサムスン製の「SSD 850」の120GBモデル。激安の理由は"白箱"と呼ばれる簡易包装版だからだ。組み込みの手間を考えるとM.2接続のSSDが理想だが、M.2はまだ割高。ゲームの起動時間的にもSATA接続であれば十分なアドバンテージが得られる。

  • サムスン MZ-7LN120B/EC

    サムスン MZ-7LN120B/EC。原稿執筆時価格:4980円

光学ドライブ:初心者ならあえて組み込む

自作PCに慣れていればもう光学ドライブは搭載しなくて良い時代だと言えるが、自作PCスキルのなさを自認しているなら、光学ドライブはあった方が無難。今回は特にOSはDVD版を選択しているため、光学ドライブが必須だ。

こういう場合筆者はUSB外付けの方を勧めるが、外付けは2000円台のものが大半。利用頻度の低いデバイスに金をかけたくないため、安価な内蔵タイプをチョイス。

  • 日立LG GH24NSD1 BL BLH

    日立LG GH24NSD1 BL BLH。原稿執筆時価格:1858円

電源ユニット:この程度なら多くて600Wクラスで十分

電源ユニットは重要なパーツではあるが、CPU/グラフィックボード/メモリに予算を回し、なおかつOS用にも資金を温存しなければならないので、ここは安価な「80PLUS Standard」な電源を選択した。

幸い今回はCore i3-8100にGTX 1050Tiという省ワットパフォーマンスの高いパーツを使っているので、大出力の電源は不要。とはいえ500W位にしておけば、将来GTX 1060とか1070クラスのGPUに乗り換えたとしても、何とかやっていける。

  • 玄人志向 KRPW-L5-500W/80+

    玄人志向 KRPW-L5-500W/80+。原稿執筆時価格:4673円

PCケース:安さで勝負

PCケースも電源同様予算を切り詰めねばならない。とはいえこの「JAX-02W」なら、シンプルなデザインなので使っていて飽きないはずだ。

  • SAMA JAX-02W

    SAMA JAX-02W。原稿執筆時価格:3943円

OS:キチンとWindows 10の正規版を選ぼう

Amazonで「Windows 10」と検索すると、様々な形式のパッケージが並んでいる。安いものだと1万円、USBメモリ版でも1万5000円程度のものが出品されているが、残念ながら業者の住所が日本国外だったりしてサポート面が不安なので除外。さらにオンラインコード版なら1万7000円程度で購入できるが、インストールメディアを作るためのPCが必要なので、今回のレギュレーションでは除外される。

こうして怪しいものやレギュレーションに合わないものを除外していた結果、残ったのがAmazon自身が販売する「PCI拡張カード付き」のDSP版という訳だ。パーツとセットになって提供するというDSP版の制約を逆手にとったパッケージだ。

  • Microsoft Windows10 Home 64bit DSP版(USB増設PCIカード同梱)

    Microsoft Windows10 Home 64bit DSP版(USB増設PCIカード同梱)。原稿執筆時価格:18144円

以上で、今回のAmazonで10万円PUBGマシンを組む時のパーツ紹介は終了だ。以下に価格表をまとめてみたが、残金は400円を切るシビアな戦いだった。GTX 1050Ti搭載製品の中でも安い製品が軒並みバックオーダー扱いになってしまったこと、Windows 10の"レギュレーションに合致して買っても大丈夫そうな"パッケージが少なかったのが特につらかった。

パーツ メーカー 製品名 価格
(本稿執筆時)
CPU Intel Core i3-8100 14,971円
マザーボード ASRock Z370 Pro4 15,226円
メモリ シリコンパワー SP016GBLFU240B22 18,800円
グラフィックス 玄人志向 GF-GFX1050Ti-4GB/OC/SF 17,013円
ストレージ サムスン MZ-7LN120B/EC 4,980円
光学ドライブ 日立LG GH24NSD1 BL BLH 1,858円
電源 玄人志向 KRPW-L5-500W/80+ 4,673円
ケース SAMA JAX-02W 3,943円
OS Microsoft Windows 10 Home 64bit 18,144円
合計 99,608円